明治大学法科大学院の青柳幸一教授(67、写真)が、2015年の司法試験の問題を教え子の受験生に漏えいしたとして、法務省は国家公務員法の守秘義務違反の疑いで9月8日、青柳教授を東京地検特捜部に告発した。NHKニュースなどが報じた。
青柳教授は、司法試験で試験問題の作成などを担当する「考査委員」を務めていた。考査委員は法務大臣が任命する非常勤の国家公務員で、試験問題の内容などについて守秘義務が課せられている。特捜部は試験問題を漏えいした詳しい経緯について捜査を進める方針だ。
産経ニュースでは、法務省や関係者の話として、青柳教授の行動について以下のように解説している。
青柳教授は今年5月の司法試験より前に、教え子の20代の女性に自身の作成した憲法分野の論文問題の内容などを伝えた。採点の際、この女性の答案で青柳教授が担当した憲法分野の問題の点数が著しく高かったため、法務省が調査を実施。調査に対し、青柳教授、女性とも漏洩を認めたという。青柳教授は「特捜部の捜査を受けており、詳しいことは話せない」と話しているという。
(【司法試験問題漏洩】東京地検特捜部が捜査へ 守秘義務違反疑い 法務省「合格者への影響ない」(1/2ページ) - 産経ニュース 2015/09/08 11:22)
法務省は「司法試験の公正性・公平性に対する信頼を根底から損なう行為だ」として8日、青柳教授を考査委員から解任するとともに、受験生については試験の採点の対象から除外し、今後5年間、司法試験の受験を禁止する処分にした。
■「女子学生を高級な食事に誘うと評判」の声も
毎日新聞によると、青柳教授は、2006年に現在の新司法試験が導入された時から、試験問題の作成に当たる「考査委員」を務めてきた大ベテランだった。発言力が強く、司法試験の世界では有名人だったという。
青柳教授の授業を受けていた明治大法科大学院の男子大学院生は「法律の基本や歴史的背景などが分かりやすく、授業の評判は良い。ただ、女子学生を高級な食事に誘うと評判で、実際に行った知り合いもいる。法曹への信頼に関わるので、教える人と試験問題を作る人は分けた方が良い」と話したという。
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