日本最大の暴力団・山口組が、分裂することになった。現組長の運営に不満を持つ傘下の組が離脱し、新組織を立ち上げる見込み。暴力団抗争の恐れも指摘されている。
朝日新聞デジタルは、8月27日に開かれた緊急の執行部会に欠席したり、離脱の意向を示したりした13団体を絶縁・破門処分にしたと伝えた。
それによると、離脱の方針を示しているのは、山健組、宅見組(大阪市)、俠友会(兵庫県淡路市)など主に関西の組織で、10団体超が月内にも新組織を発足させる見込み。産経WESTによると「神戸山口組」を名乗るとの情報もあるという。
山口組は1915年4月に神戸で結成され、1946年に就任した3代目・田岡一雄組長の時代に、全国の暴力団を傘下に収めて勢力を拡大した。代々、関西が地盤の暴力団が実権を握ってきたが、2005年7月に、名古屋に拠点を置く弘道会の篠田建市(通称・司忍)組長が、6代目の山口組組長に就任した。
最近、総本部を名古屋に移す動きがあったといい、傘下の組には反発があったという。また、篠田組長の運営を巡る不満もつのっていたとみられる。
山口組系幹部は「6代目体制になり、上納金の取り立ては厳しいうえ、事務所にミネラルウオーターや米などを送りつけてきて、『買い取れ』という。個別のシノギ(資金源獲得活動)にも口を挟んでくる」と不満を漏らす。
(【山口組分裂】“弘道会支配”への不満背景 銃弾の発射音必至 警察当局「市民への危害」を懸念 - 産経ニュースより 2015/08/27 21:11)
産経ニュースは「もうこのような状態になったら、大きな音(銃弾の発射音)をさせずに済ますのは難しいだろう」という、山口組系の幹部の話を伝えている。山口組は、1985~87年に跡目争いから一和会との「山一抗争」を繰り広げ、双方で25人が死亡したほか、一般市民や警察官にも巻き添えの負傷者が出た。警察当局は、暴力団抗争で民間人に死傷者が出ることを警戒している。
山口組は2014年末時点で44都道府県に計約1万300人の組員を抱え、準構成員らを含めると約2万3400人がいる。警察庁によると、全国の暴力団関係者の43.7%を占める。
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