8月20日に韓国と北朝鮮の軍事境界線付近で起きた砲撃戦を受け、北朝鮮の朝鮮中央通信は21日、前線地帯に「準戦時状態」を宣言したと伝えた。
同通信によると、北朝鮮軍(朝鮮人民軍)の最高司令官でもある金正恩・朝鮮労働党第1書記が20日、朝鮮労働党中央軍事委員会の非常拡大会議を緊急招集し決定した。21日午後5時をもって、前線の部隊に「作戦進入が可能な完全武装の戦時状態に移行」することを命じている。
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南北の緊張が高まったきっかけは8月4日。軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)で、韓国軍兵士2人が地雷で足を切断するなど負傷した。韓国政府はこれに対する報復として、軍事境界線付近で北朝鮮向けの宣伝放送を始めていた。朝鮮中央放送は「48時間以内に心理謀略放送を中断しない場合、心理戦を撃破射撃するための軍事的行動と、起こりうる敵の反撃を鎮圧するため、地域の軍事作戦を指揮する指揮官を任命し、前線に命令した」と述べ、韓国側の宣伝放送を中止しなければさらなる軍事行動に出ることを示唆している。
韓国側は、20日の砲撃戦は、この放送を巡って北朝鮮側が挑発を仕掛け、韓国側が応戦したとしているが、朝鮮中央通信は「またも、ありもしない『北の砲弾発射』事件をつくり上げ、それを口実に神聖な共和国領土に向け数十発の砲弾を乱射する無謀な軍事的妄動を働いた」と、北朝鮮側から仕掛けたとの説を否定している。
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