コスタリカ沖で調査をしていたテキサスA&M大学の海洋生物学調査チームは、鼻に何かが詰まって苦しそうに呼吸するヒメウミガメをみつけた。詰まっていたのはなんと長さ10cmにもなるプラスチックのストローだった。
閲覧注意:カメが出血するシーンが含まれます
最初、鼻に詰まっているのは寄生虫かフジツボのような動物の体に住みつく生物だと思った、と海洋生物学の博士課程に在籍するクリスティーン・フィグナーさんは話してくれた。物体の先を切り落として調べて初めて、それがストローだとわかったという。
ペンチを使って抜こうとしたがなかなか抜けず、途中で出血し始めたカメを気遣いながら、8分かかってようやくストローを引き抜くことができた。
「釣り針や釣り糸に引っかかったカメはよく見かけますが、鼻の中にストローが刺さったウミガメを見たのは初めてです」とフィグナーさんは話す。
しばらくすると出血は止まり、カメはいつものように動き始めた。その後1時間ほど経過を見守ってから海に戻すと、元気そうに泳いでいったという。
2015年2月にサイエンス誌に掲載された研究によると、世界中の海には毎年推定800万トンのプラスチックゴミが流れ出ているという。
フィグナーさんは、今回発見したカメは、プラスチックのストローを誤って食べ、吐き出そうとして鼻に詰まらせたのかもしれないと考えている。ウミガメの鼻の穴は口とつながっており、「スパゲティを詰まらせて、鼻から出た時のようなものです」とフィグナーさんは説明する。
体に異物が入り込んで死にそうな状態のウミガメを助けることは珍しくない。コスタリカでは獣医療のサービスが限られているため、フィグナーさんのような研究者たちが重傷を負ったウミガメを自ら救助しなければならないことも多いそうだ。
今回の出来事がきっかけとなり、フィグナーさんはウミガメ用の応急処置キットを開発した。8月14日からクラウドファンディングサイト「GoFundMe」でキットの資金集めと調査活動支援のキャンペーンを行っている。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]
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