「メイク・ア・ウィッシュ財団」がケラン・ティルトンに、一番の願いごとを叶えてあげる約束したとき、3才の男の子は「ディズニーランドに行きたい」「大好きなスポーツ選手や有名人に会いたい」など何でも頼むことができた。
だが、ケランは別の考えがあった。それは「家のすぐ近くにある小屋に簡単に行ける」こと。その小屋は、家の敷地内にあり、父親や7人の兄妹たちは、よくそこでひとときを過ごすという。
メイク・ア・ウィッシュは、喜んで彼の願いを叶えることにした。
「世界中のどんな場所でも旅行することはできたのですが……」とメイク・ア・ウィッシュの担当者ソーニャ・パリントンはCBSニュースに語った。「でもケランにとって、一番重要なのは家の外に出られることで、彼の願いは『自分で車椅子に乗って、小屋まで行けること』だったのです」
ケランは車椅子を使っている。生まれたときに腹部と脊椎に悪性腫瘍が見つかり、腫瘍を切除するために何回かの化学療法と10時間に渡る手術を受けたのだ。ケランの腫瘍は切除されたが、下半身麻痺が残った。
車椅子の扱いは「誰よりも上手いです」と父親のダン・ティルトンが語るほどだ。しかし、(整備されていない)敷地内を自由に動き回ることは難しいときもあるという。
「ケランが欲しかったのは、自由と動きやすさなんです」。ダンはABCニュースに、ケランの望みは、小屋をつなぐ小道だと話した。「これまでは、誰かを運んでもらわないと家の外に出ることができなかったのです」
8月初め、メイク・ア・ウィッシュは地元の建設会社と提携し、ケランのための小道を作り始めた。今回のプロジェクトの費用は、1万5000ドル(約186万円)。
公式発表では、ケランの家と小屋を繋ぐ小道は、8月15日頃に完成するそうだが、父親によると、すでにケランは大喜びだという。「興奮しっぱなしで、ずっと小道を走っていますよ。毎日、朝起きたときと夜寝る前に、小道を走るのが日課なんです」
メイク・ア・ウィッシュの担当は、小道の完成を控え「胸が躍ります」と話す。「ケランの望みはシンプルで、控えめで、強く訴えるものがあります。もっと家族と一緒にいられるようになって、一番の友人であるお父さんとの過ごす時間も増えてくれれば、うれしいです」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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