【戦後70年】玉音放送の現代語訳、当時の音声に字幕をかぶせてみた(動画)

ハフポスト日本版では、宮内庁が復元して公開した当時の音声を、現代語訳の字幕つきで動画にしてみた。

1945年8月15日、ポツダム宣言を受諾し、太平洋戦争の全面降伏を告げる、昭和天皇の「終戦の詔書」の朗読が、ラジオで全国放送された。いわゆる「玉音放送」だ。

文語調で難解な単語を使っていたため、当時を知る人からは「意味が分からなかった」との証言も多い。

ハフポスト日本版では、宮内庁が復元して公開した当時の音声を、現代語訳の字幕つきで動画にしてみた。

なお、原文は以下の通り。

朕深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置を以て時局を収拾せむと欲し、茲に忠良なる爾臣民に告ぐ

朕は帝国政府をして米英支蘇四国に対し、其の共同宣言を受諾する旨通告せしめたり

抑々帝国臣民の康寧を図り、万邦共栄の楽を偕にするは、皇祖皇宗の遺範にして、朕の拳々惜かざる所。曩に米英二国に宣戦せる所以も亦、実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾するに出て、他国の主権を排し領土を侵すか如きは固より朕か志にあらす。然るに交戦已に四歳を閲し、朕が陸海将兵の勇戦、朕が百僚有司の励精、朕が一億衆庶の奉公、各々最善を尽せるに拘らず、戦局必ずしも好転せず、世界の大勢亦我に利あらず。加之敵は新に残虐なる爆弾を使用して、頻に無辜を殺傷し、惨害の及ふ所真に測るべからざるに至る。而も尚、交戦を継続せむが終に我か民族の滅亡を招来するのみならず、延て人類の文明をも破却すべし。斯の如くむは朕、何を以てか億兆の赤子を保し、皇祖皇宗の心霊に謝せむや。是れ朕が帝国政府をして共同宣言に応せしむるに至れる所以なり

朕は帝国と共に終始、東亜の解放に協力せる諸盟邦に対し、遺憾の意を表せざるを得す。帝国臣民にして戦陣に死し、職域に殉じ、非命に斃れたる者及、其の遺族に想を致せば、五内為に裂く。且戦傷を負い、災禍を蒙り、家業を失ひたる者の厚生に至りては、朕の深く軫念する所なり。惟ふに今後帝国の受くへき苦難は固より尋常にあらず。爾臣民の衷情も朕善く之を知る。然れども朕は、時運の趨く所、堪へ難きを堪へ、忍び難きを忍び、以て万世の為に太平を開かむと欲す

朕は茲に国体を護持し得て、忠良なる爾臣民の赤誠に信倚し、常に爾臣民と共に在り。若し夫れ情の激する所濫に事端を滋くし、或は同胞排擠、互に時局を乱り、為に大道を誤り信義を世界に失ふか如きは、朕最も之を戒む。宜しく挙国一家子孫相伝へ、確く神州の不滅を信し、任重くして道遠きを念ひ、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし、志操を鞏くし、誓て国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらむことを期すべし。爾臣民其れ克く朕が意を体せよ

(カタカナはひらがなに改めました)

注目記事