貧しい国の少女たちの悩み「布ナプキン」 アメリカの芸大生が解決した

低所得国の少女たちにとって、生理の悩みはナプキンを買うお金がないことだ。代わりに布切れなどを使うことがあるが清潔とはいえない。
Flo

貧しい国に住んでいる少女たちにとって、生理の時の悩みは生理痛でもなければむくみでもない。ナプキンを買うお金がないことだ。

彼女たちはナプキンの代わりに布切れなどを使うが、何度も洗って再利用するため、あまり清潔とはいえない。

この状況を見て立ち上がったのが、カリフォルニア州のアートカレッジ「アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン」の学生たちだ。彼らは、生理用の布ナプキンを短時間できれいに洗えるデバイス「Flo」を開発した

学生たちによると、世界中の少女のうち90%は使い捨てナプキンではなく、繰り返し使う布ナプキンや端切れを使っているという。その理由の一つは使い捨てナプキンの値段が高いからだ。

たとえば、ケニアでは使い捨てナプキンが1パックの値段は約60セントだが、この金額は未熟練労働者の平均日当の約半分に当たる。そのため、多くの少女はナプキンの代わりに葉っぱや新聞、マットレス材のほか、泥を使うことさえあると人権団体「プロジェクト・ヒューマニティ」が伝えている。

また、たとえ布ナプキンを入手できても、また少女たちはナプキンを洗うことができないので一週間気持ちが悪い状態で過ごさなねばならず、健康に悪影響を及ぼすこともある。

少女たちがナプキンを洗うことをためらうのは、ナプキンを他の衣類と一緒に洗うのがタブーだと考えられているからだ。また、多くの場合少女たちはナプキンを洗っても恥ずかしがって外では干さない。そのため、ナプキンは湿った状態で家の中に長期間置かれて、細菌が発生してしまう。

さらに問題なのは、多くの少女が、ナプキンを付けて歩き回ることを恥ずかしがったり、不潔な布切れを使うのに耐えられなかったりするため、学校を休んでしまうことだ。

Floは、こういった問題を解決する手段になると期待されている。

学生たちが立ち上げたウェブサイトによると、Floは2つのボウルとバスケット、紐でできている。洗浄に必要な水と洗剤は、通常の手洗いの半分ですむそうだ。

洗った後は、Floの中で回転させて脱水するため、乾燥時間が短縮できる。脱水した後Floはハンガーラックになり、ナプキンを目立たないように布で隠しながら外で干すことができる。

さらに、Floには使い済みのナプキンときれいなナプキンの両方を入れられるポーチも付いているので、学校にも安心して持っていける。

Floを開発するにあたり、学生たちは現地調査をするチャンスがなかったため、スポーツブランド・ナイキの「ナイキ・ファウンデーション」やデザイン会社「フューズ・プロジェクト」の調査結果をベースにして開発を行い、試作品のテストにはケチャップや醤油、動物の血液を使ったという。

少女たちの悩みを解決してくれそうなFlo。販売価格は3ドル以下を予定している。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]

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