文部科学省は8月5日、新しい学習指導要領の骨格案を明らかにした。2022年度をめどに高校で新たな必修科目として、日本と世界の近現代史を中心に学ぶ「歴史総合」や、選挙権年齢引き下げをふまえ社会参画に必要な力を育てる「公共」などを設ける案が柱となる。
現在、高校では世界史が必修で日本史と地理は選択履修となっている。
文科省の骨子案では世界史の必修をやめる代わりに、「歴史総合」を新設する。日本の伝統と向き合い、グローバルな視野で日本のことを捉える力をつけることがねらいだ。時事ドットコムによると、日本史の必修化を求める声もあったとされるが、日本と世界の近現代史を関連付けて教え、また、歴史の転換点や見方を考察することに重点を置くために、新科目とした。あわせて、地理も環境や防災などの課題解決を目指す「地理総合」を新たに必修とする。
一方、「公共」では、選挙など政治参加について学習する。社会保障や雇用、契約といった、社会で必要なことも幅広く学ぶ。
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NHKニュースによると、これまでの学習指導要綱では、「何を学ぶか」に重点が置かれていたが、新しい学習指導要綱では「どのように学び、どのような力を育てるのか」も重視するとしている。
学習指導要領とは、小中高校で教える内容や目標を示した国の基準で、約10年おきに改訂されている。次期学習指導要綱は小学校は2020年度から、中学校は2021年度から、高校は2022年度入学生から全面実施される見込み。詳細は中央教育審議会が教科や学校種ごとに検討し、2016年度中にも答申を目指す。
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