ベルギーのデザイナーから著作権の侵害を指摘されている2020年東京オリンピックのエンブレム。盗作疑惑に話題が集まっているなか、ハフポストUS版のアートデザイナーは、盗作があったとの見方については疑問を呈した。また、作品そのものについても、「(オリンピックの)イメージを一新させている」「単純形状ときれいな線で、過去のオリンピックのロゴマークから決別している」と述べ、高い評価を与えた。
東京オリンピック組織委員会が7月24日に発表したエンブレムは、アルファベットの「T」をモチーフにしている。組織委によると、「東京(Tokyo)」「チーム(Team)」「トゥモロー(Tomorrow=明日)に共通する頭文字を取り、これをイメージしたもの。円はすべて包み一つになった世界。赤は日の丸とハートの鼓動を表しているという。佐野研二郎氏がデザインした。
この東京オリンピックのエンブレムについて、ハフポストUS版デザイン部門のディレクター、アリソン・ザックは30日、ハフポスト日本版のインタビューに対し、以下のようにコメントした。
(そのエンブレムに対する思いは)私の中でだんだん大きくなっています。デザイナーが、日本の国旗を偶像化した赤い円を使ったことが素敵です。落ち浮いた色彩パレットがイメージを一新し、オリンピックの五つの輪の色を超越するものにしています。単純形状ときれいな線によって、シドニーやアテネ、北京といった最近のオリンピックで使用された抽象的な形状から決別し、際立つことになっています。アニメーションやビデオのグラフィックは、ロゴマークが自然に発展したものとなっています。これが個々のスポーツの図像にどのように応用されるのか楽しみにしています。
盗作疑惑が内外で広がっていることについて、ザックは「その論議について周知しています。盗作があったとの見方には疑念があります。ロゴマークは、酷似しているが、それと同じくらいの差異があります。劇場とオリンピックは全く別の組織であり、ライバル関係にもありません。そして、ロゴマークがよく似ていることは珍しくはありません。それはむしろ、『賢人は皆同じように考える』場合に生じます」と述べた。
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