飛行機事故が続くなか、オランダ・アムステルダムのスキポール空港で、大きな事故を引き起こしかねない出来事が発生した。
これは、KLMオランダ航空のボーイング777型機がスキポール空港に着陸するところだ。この日スキポール空港は「ここ100年で最もひどい嵐」といわるほどの悪天候に見舞われた。その悪天候のなか着陸を試みた機体は強風を受けて大きく揺れ、素人目にはバランスを崩して墜落寸前だったように見える。
着陸の様子を捉えた動画が7月25日にYouTubeに投稿されると、あっという間に広がって、29日現在800万回以上視聴されている。また、アメリカのニュース専門局CNBCでも、危険な着陸だと報じられた。
事故にならなくてよかった、と思わず胸をなでおろす出来事だが、実は専門家によればこれは危険な着陸ではないようだ。現役パイロットで、ブログや書籍の執筆でも知られるパトリック・スミス氏によれば、この着陸は特別危険なものではなく「インターネットで物事が大げさに伝えられることの典型」だという。
「このシーンは、確かに危険に見えますが、実際はそうではありません。機内は揺れたと思います。しかしそれでも、墜落の気配は全く感じられません」とスミス氏は述べている。
たとえば、飛行機は着陸間際に右側に傾くような動きをしている。そのまま機体がひっくり返ってしまいそうだが、これは横風を受けた時の操作方法だという。横風を受ける方の車輪が先に地面につくよう機体を傾けることで、風で機体が滑走路から押し出されるのを防ぐ。
「パイロットのコントロールのもと、飛行機は正しく着陸しています」とスミス氏は話す。また、パイロットは安全ではないと感じた場合は着陸をしないよう訓練を受けているそうだ。
これからは、飛行機が揺れたり傾いたりするたびに、冷や汗をかかなくてもいいかもしれない。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:佐藤卓/ガリレオ]
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