チェコのドブール・クラーロベ動物園で飼育されていた、絶滅危惧種のキタシロサイ「ナビレ」が7月27日に死亡した。ナビレの死によって、地上に残るキタシロサイの数は4頭になった。キタシロサイがまた一歩絶滅に近づいたことになる。
動物園によると、31歳だったナビレは卵巣嚢胞破裂の合併症のため死亡した。状態が悪かったため、治療は不可能だったという。プシェミス・ラバス園長は、プレスリリースの中で次のように述べている。
「とても大きな損失です。動物園のサイの中でもナビレは一番優しい性格の持ち主でした。みんなからとても愛されていましたが、それだけではありません。彼女の死は、人間の愚かな欲望によってサイたちが壊滅的に減少していることの象徴です。キタシロサイは絶滅の瀬戸際に立たされています」
サイの角は、漢方薬の原料や装身具の材料として珍重されており、密猟者に狙われてきた。世界自然保護基金(WWF)の報告によれば、密猟によって1960年にアフリカに2000頭以上いたキタシロサイは、1984年には15頭にまで激減した。2014年12月には、アメリカのサンディエゴ動物園で飼われていたオスのキタシロサイが死亡して、残りが5頭になったと報道されたばかりだった。
残された4頭は、カリフォルニア州のサンディエゴ動物園にいる1頭と、ケニアのオルペジェタ野生動物保護区にいる3頭。さらに、オスはオルペジェタ野生動物保護区に残っている40歳のスーダンしかいない状態だ。
ナビレは片方の卵巣に多数の嚢胞があったため、子どもを産むことができなかったが、違う形で種の存続に貢献するかもしれない。ナビレの健康だった方の卵巣とその他の組織サンプルが、死の直後に摘出されてイタリアの研究所へ送られた。今後キタシロサイの繁殖の研究に役立てられることになっている。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]
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