新国立競技場「聖域やめ開かれた競技場に」為末大さんら有識者の声

ゼロベースでの見直しを受けて、有識者の声が上がった。
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2520億円の建設費をめぐって批判が集中していた、新国立競技場の建設計画について、安倍晋三首相は7月17日、白紙に戻しゼロベースで見直すと明らかにした。2019年9月のラグビー・ワールドカップまでの完成は断念した。

文部科学省は同日、建設主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に全ての契約をやめるよう指示。今秋までに新しい整備計画を策定し、2020年春までに完成させることを目標にした。

ゼロベースでの見直しを受けて、元プロ陸上選手の為末大さんは、「未来から考える新国立競技場」と題したブログを更新。「国立競技場は聖域であることをやめ、毎日国民に使われるすべての人にひらかれた国立競技場を目指してほしい」などと自身の思いを綴った。

これまで国立競技場を含めスポーツ施設は、勝手に入ってはいけない、迂闊に触れてはならない聖域のように扱われてきたと思います。その空気は権威のようなものをスポーツ界に与えはしましたが、すべての人がスポーツを気軽に楽しむということを遠ざけてきました。(中略)

また計画段階においてどこかにパラリンピアンの意見を入れて欲しいと思います。日本が出すべきコンセプトとして新しい競技場は、障害を持った方も、高齢者の方も、子供も、すべての方が観戦しやすく、且つ競技しやすいものにはできないでしょうか。世界でもっともバリアフリーが進んだ競技場を作り、そのコンセプトと知見が次の競技場に伝わっていき、いずれ世界中の競技場がバリアフリーになっていく。それは日本から始まり世界に伝わっていくレガシーとも言えると思います。

未来から考える新国立競技場 | 為末大・侍オフィシャルサイトより 2015/7/17)

見直しを受けて、有識者からは「英断」「誰の責任になるのか」といった意見や、今後の見直し案についてなど、様々な声が上がっている。以下に紹介する。

舛添要一・都知事は、このような事態に至った「無責任体制」について言及した。

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