「やっぱりあともう72億円かかります」――。2520億円という巨額の建設費が物議を醸している、新国立競技場の建設費用が、さらに高くなることが明らかになった。
7月14日付スポーツ報知によれば、歩行者デッキ2つ分の37億円と、水道の移設費35億円、合計72億円について、2014年5月の改修案発表時には含まれていたが、7月に新たに発表された整備費総額2520億円には含まれていなかったという。
2520億円という巨額の建設費からすれば72億円は少ない額に感じる。しかし、2015年秋に大阪府吹田市に完成するJリーグ・ガンバ大阪のサッカー専用スタジアムは総事業費が約140億円。デザイン上の特徴となっている湾曲したアーチの工費などでさらに建設費が膨らむ予測もあり、まだまだ2520億円で決着、とはいかないようだ。
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新国立競技場はもともと、約1300億円の整備費で建設されることになっていたが、コンペで選ばれたザハ・ハティド氏のデザイン案では3000億円以上かかることが明らかになり、2014年に建設を推進する文部科学省管轄の日本スポーツ振興センター(JSC)が大幅に規模を縮小し、1625億円規模の修正案を公開。後に資材高騰などが影響し2520億円かかることが判明したが、結局、このまま建設されることが決まっていた。
責任の所在が曖昧なまま進んでしまったプロジェクトにJSCや、コンペの審査委員長を務めた安藤忠雄氏、オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏などに批判が集まっている。建設費の財源として約500億円の支出を求められている東京都の舛添要一都知事も対応を批判している。
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