IMF(国際通貨基金)は7月9日、2015年の経済見通しを発表し、今年の世界の成長率の予測を下方修正した。また、大幅な株価の下落が続いた中国の株式市場について「バブルが崩壊した」と述べると共に、影響は「現段階では主要な問題とはならない」との見方を示した。BBCなどが報じた。
IMFは成長率の予測をこれまでより0.2%引き下げて3.3%のプラスと予測した。
IMFのオリビエ・ブランシャール調査局長は記者会見で、1カ月足らずで約32%下落した上海総合株価指数について、「(中国株式市場の)バブルは崩壊した」と述べ、中国の個人消費の落ち込みなどが予想される一方で、アメリカと比べると市場の規模が小さいことから世界経済への影響は限定的との見方を示した。
中国株式市場は大幅な株価の下落が続き、7月上旬までの3週間で時価総額3兆2000億ドル(約392兆円)が失われた。これは本土の証券取引所で1分間に約10億ドル(約1213億円)ずつ失われた計算だ。
中国本土の証券取引所で8日までに少なくとも1323銘柄の売買が停止され、時価総額で2兆6000億ドル(約320兆円)相当、市場全体で約71%の株式が売買停止もしくはストップ安となる事態となった。全上場企業の6割近い約1600社が自社株の売買停止を申請したとみられる。
中国の証券監視当局は利下げや空売り規制、信用取引の拡大、証券会社による株価下支えなどの対策を講じたほか、大株主や経営幹部に6カ月間持ち株の売却を禁じる異例の措置をとった。メディアに対しては「暴騰」や「崩壊」といった言葉を使わずに公式発表を適切に報道するよう通達し、引き締めを一段と強めている。9日の中国株式市場は反発し、当局の措置がひとまず効を奏した形だが、急落傾向に歯止めがかかったとは言えない状況が続く。
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