アメリカ・サウスカロライナ州チャールストンにあるアフリカ系アメリカ人教会で銃乱射事件が発生し9人が犠牲になった翌週、サウスカロライナと近隣の州にある5つの教会で連続火災が発生した。
火災が起こった5つの教会はどれもアフリカ系アメリカ人を中心にした教会で、そのうち少なくとも3つは放火が原因だと人権NPO「南部貧困法律センター(SPLC)」は報告している。
最初の放火は6月22日、テネシー州ノックスビルにある「カレッジヒル・セブンスデー・アドベンティスト教会」で起こった。
翌日の23日には、ジョージア州メイコンの「神の力キリスト教会」が全焼した。
さらに24日には、ノースカロライナ州シャーロットの「ブライヤークリーク・バプティスト教会」が放火され、25万ドル(約3070万円)を超える損害を被った。
ノースカロライナ州シャーロットの「ブライヤークリーク・バプティスト教会」の火事を伝える消防署のツイート。
火災が起こったのがすべてアフリカ系アメリカ人中心の教会であること、また火災が夜間に集中していることは偶然ではないだろうとSPLCは指摘している。また、もし放火と断定された場合でも、その行為をヘイトクライムだと断定するにはさらなる証拠が必要だとSPLCは伝えた。
火災に見舞われたブライヤークリーク・バプティスト教会のマニックス・キンゼイ牧師は、地元ニュース局の取材に対し「放火がヘイトクライムでないことを願う」と話している。またキンゼイ牧師は「犯人はすでに赦されている」と述べる一方で、アフリカ系アメリカ人教会が狙われている現在の事態を憂慮しているとも語った。
アメリカでは1956年以降、少なくとも91件のアフリカ系アメリカ人教会が襲撃されている。アメリカのオピニオン雑誌「アトランティック」によると、アメリカで教会に対する放火の歴史は古く、南北戦争前にさかのぼるという。
アフリカ系アメリカ人教会の襲撃は人種差別が理由になっていることが多く「アフリカ系アメリカ人社会の中心となる場所を狙った攻撃で、夜間に行われ、アフリカ系アメリカ人への憎しみが引き金になっている場合が多い」と、アトランティック誌のエマ・グリーン記者は指摘している。
キンゼイ牧師は「私たちはずっとこの問題について話してきました。もう2015年なのに、まだ続いています」と話している。「実際に協力し合えるようになるには他に何をすべきか、私たち全員が考えなければいけません」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]
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