5億年前のカンブリア紀に生息していた奇妙な生物「ハルキゲニア」の体で、これまで尻尾だと思われていた部分が実は頭部だったことが分かった。6月24日、イギリスのケンブリッジ大学などの研究チームが科学誌「Nature」に論文を発表した。
時事ドットコムによると、ハルキゲニアの体長は1~5cm。その平らな体の上半分は、体と比べて巨大なトゲで覆われており、下半分には触手のような脚が付いている。
Discover誌によると、ハルキゲニアの化石は1911年、カナダのバージェス頁岩の地層から、アメリカ人の古生物学者チャールズ・ウォルコットによって発見された。そのあまり奇妙な姿から、1977年に「ハルキゲニア」(幻覚を生むもの)と命名された。当初はトゲの部分が足だと考えられていたが、その後の調査で上下逆さまだったことが判明。さらに今回の論文で、前後も逆だったことが明らかになった。
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ハルキゲニアの化石
今回、電子顕微鏡を使って調査した結果、これまで尾と考えられていた部分から、2つの目と針のような歯が並ぶ口を発見。こっちが頭部だということが明らかになった。では、頭部だったと勘違いされていた部分は一体何だったのだろう。研究チームによると、私たちがトイレでお馴染みのアレだったという。
「標本の先端にある大きい風船のような丸い部分は、これまで頭部だと考えられていました。しかしこれは体の一部ではなく、押しつぶされて死んだときに、体液か消化管の内容物が漏れ出して塊になったものでした」と、研究を主導したケンブリッジ大学のマーティン・スミス教授は説明している。
(奇妙な古代生物「ハルキゲニア」の頭と尾は逆だった(動画あり) « WIRED.jp 2015/06/26)
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