漫画家の蛭子能収(えびす・よしかず)さん(67)が、初の人生相談の著書「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)を出版した。
「群れるのが嫌い」という蛭子さんが、独特の緩い文体と語り口で、長崎から上京して漫画家として成功した苦労話などをちりばめながら、独自の人生観を披露している。
週刊誌「女性自身」に2014年6月から連載しているコラム。漫画雑誌「ガロ」連載時からのファンだったという編集担当者が「ある意味、人生相談に最も適さない」と依頼したという。「40年で1億円は損した」という競艇に絡めて回答するパターンが多いが、「蛭子さんにしてはいいこと言っている」との感想も編集部に寄せられるという。
6月23日にあった、ハフィントンポストなどとの主なインタビュー内容は、以下の通り。
――人生相談のコーナーを担当してほしいと言われて、どう思いましたか?
「週刊文春」で伊集院静さんがやっているのをよく見るので、えーっ、俺で大丈夫なのかなあ、と。ま、仕事だし、仕事はとりあえずあまり断らない主義なので。2カ月に1回ぐらい、担当者が持ってくるんですが、あ、連載なんですか、これ。へー。毎週出てる?本当に?
――(光文社の担当者)毎週、お送りしてますが…。
――難しい相談も来ますよね。
ですよね。でも、あんまり深く考えないようにして答えるようにしています。一応、真剣には考えるんですけどね。でも答えがあまり真剣に見えたらどうしよう、とも思う。
――会心の答え、あるいは難しかった質問は?
全然覚えてません。すみません。(本を開いて)…あれ、俺、こんなこと言った覚えないよ!いや、怖いわ。カットしてほしい。
――もう出版されてますが…。悩みは本人にとっては真剣ですよね。
本当に真剣なんでしょうか。もし真剣だったら申し訳ないですね。意外と簡単に答えてるんで。たぶん「どうせ蛭子さんだから、こんなのでいいや」って感じでしょうけどね。
――本当に自分で書いているんですか? もしかしてゴーストライター?
そうですね。自分がしゃべったことを編集さんが書いているだけです。自分で書けば、もうちょっとよくなったんですけどね。何しゃべったか覚えてないけど。
――相談を見ていて、世の中、みんな生きにくさを抱えてるんだなと思ったりしません?
もう、なんで人生を他人に相談してくるんだろうなと思う。そんなのは誰が見ても困っちゃうと思うんですよね。回答はない、自分で解決するしかないのにな、と思う。人に相談するんじゃなくて自分で解決しろよ、と思うんですか。
――ご自身で相談したいことがあったりとか?
ないですね。全部自分で相談します。人がわかるわけないし。俺は頼まれてやってるだけだから。こんなこと相談しても一緒なのになあ、と。
――面倒くさいと思ったことは?
正直、ありますね。でも仕事なんで、一応、お金もらってるんで。相談は…なるべくしないでほしい(笑)。
――まあ、みんな、悩みを抱えて誰かに相談したいんだと思うんです。そんな世の中の人たちに人生相談者として言いたいことは?
もし切実に悩んでいる人は、俺でなくて、伊集院さんに頼んでほしい。俺は軽い方で行きたいと思います。以上!
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