デフォルト(債務不履行)の危機に陥っているギリシャの金融支援に向けて、ユーロ圏の首脳が6月22日、ベルギーのブリュッセルで緊急会合を開き、ギリシャが提示した構造改革案を協議して今週中の合意を目指すことになった。NHKニュースなどが報じた。
EUなどによるギリシャへの金融支援は6月末に期限を迎える。ギリシャは30日までに、国際通貨基金(IMF)からの融資16億ユーロを返済しなければならないが、新たな融資を獲得できない場合、デフォルトに陥る可能性が高まり、ユーロ圏からの離脱も現実味を帯びてくる。仮に6月末の返済期限を乗り切ったとしても、7〜8月にかけて欧州中央銀行(ECB)への返済が待ち受けている。
ロイターによると、ギリシャが新たな金融支援を得るために提示した構造改革案は、増税、福祉の削減、年金支出の削減を目的として公務員の早期退職制度の見直しなどが含まれている。
ドイツのメルケル首相は「ギリシャの改革案について、さらなる協議のための良い土台になると評価した」、フランスのオランド大統領は「ユーロ圏首脳会議を経て、合意に向けて前進した」と述べ、一定の評価をしたが、さらなる調整が必要として今週中の合意を目指す形で結論を先送りした。
朝日新聞デジタルによると、ギリシャのチプラス首相はボールは相手側のコートにあり、協議の行方はユーロ圏各国首脳次第だと述べ、「力強い成長策と同時にギリシャ経済の再生につながる包括的で実行可能な解決策を求めている」と指摘した。
毎日新聞によると、ギリシャ国内では、交渉が決裂する不安から先週だけで全預金の3%にあたる42億ユーロ(約5880億円)が引き出されており、金融支援の合意に進展が見られない場合、預金の流出が加速する恐れがある。
緊急会合の会場に向かうドイツのメルケル首相(写真左)とフランスのオランド大統領(同右)
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