ロシア人の写真家ラルフ・ミレブズ氏は、カザフスタン南部の砂漠にある宇宙ロケット発射基地「バイコヌール宇宙基地」を訪れた際に、旧ソ連時代に使われていた古い宇宙船と、宇宙船の実物大模型を発見した。
テクノロジーサイトの「Gizmodo」によれば、宇宙船はまるで放置されているかのような状態で保管されていたという。ミレブズ氏はその姿を撮影し、SNS「ライブジャーナル」の自分のページにアップロードしている。
バイコヌール宇宙基地は現在も使用されている宇宙基地だ。写真に写っている2機は、1974年から1993年にかけて実施された旧ソ連の宇宙船打ち上げ計画「ブラン計画」のために作られたと伝えられている。
アメリカの歴史専門チャンネル「ヒストリー」によれば、ブラン計画では、1988年に最初の宇宙船「ブラン」が打ち上げられた。ブランは4時間足らずで地球を2周し、発射した基地に帰還したという。
しかしその後ソ連が崩壊し、資金不足に陥ったブラン計画は中止を余儀なくされた。ブランはバイコヌール宇宙基地内にある航空機格納庫に格納されていたが、2002年に暴風によって格納庫の屋根が崩壊し、その時にブランも破壊された、とBBCは伝える。
今回写真におさめられたのは、ブランの姉妹機でブラン計画の二号機として宇宙に旅立つ予定だった「プチーチュカ(小鳥)」だ。テクノロジーサイトの「Ars Technica」によると、プチーチュカはブランが破壊された後にバイコヌール宇宙基地内の別の格納庫に移動され、現在に至るという。
2機は埃をかぶっており、長年にわたって使われていなかったようだ。かつて栄華を誇った宇宙船の色あせた姿に、物悲しさを感じずにはいられない。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]
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