ケイティ・デリーン・レイさんは、“すっごく可愛い巣”を作る人として知られています。傷ついた生まれたての動物たちのために、レイさんは長年に渡り、数えきれないほどの手作りのニットの巣を作ってきました。
「100個作ったところで、数えるのをやめたんです」。レイさんは振り返る。
Photo credit: Rideau Valley Wildlife Sanctuary
レイさんは、カナダ・オンタリオ在住で、慈善団体「Wildlife Rescue Nests」の創設者です。彼女は、頑丈で、柔らかくて、とびきり可愛い巣をデザインして、手作りしています。そして、病気や怪我をしたり捨てられていたりした動物たちが保護された施設に寄付しています。そして彼女は、他の人でも同じものを作れるように巣のパターンを共有しています。
レイさんが可愛い巣を作りはじめたのは、2013年の冬。骨折した手を治療していて、多くの時間をネットサーフィンをしながら過ごしていたそうです。インターネット上で、彼女は、アメリカを拠点にする動物保護団体の女性が、同じような巣を作っていることを知りました。それは、保護動物を収容するときによく使われる無機質な箱とは違いました。
「素晴らしいアイデアだと思いました。そして、私はカナダの保護施設でも、この可愛い巣が設置されているか調べてみたのです」。彼女はいいました。「驚いたことに、どこにもなかったのです。だから私は、保護団体に連絡をとってみたんです。そしたらいくつかの団体はアイデアに興味を持ってくれ、試してみることになったのです」
すでにあるパターンにいくつか修正を加えて……例えば、巣穴に生息する動物たちのために、平底にして隠れやすくしたりしました。羽根が生えたばかりの小鳥は、そこから最初の飛行にチャレンジします。巣から世界に飛立つのです。
レイさんは最近では、カナダだけでなく、アメリカ、オーストラリア、アイルイランド、イギリスにある約60の動物保護団体に、手作りの巣を届けているそうです。傷を負ったり親を亡くしたりした鳥やアライグマ、コウモリ、ポッサム、シマリス、ウサギなどが、ニットの巣で暮らしています。ちっちゃなミンクたちが、ここの暖かくて柔らかいニットの巣で療養しています。
「彼女がいくつかサンプルを送ってきてくれたときから、私たちはニットの巣を使わずにはいられませんでした」。動物保護団体「Woodlands Wildlife Sanctuary」の代表理事であるモニカ・メリヒャルさんは言いました。「とっても愛らしくて居心地のよい巣で、安心感がありました。布で巣を覆ってみたら、野生の鳥は、まるで母の羽根の下でくつろいでいるようでした。
レイさんは、もっと多くの巣を作りたいと考えています。新しいボランティアや編み手や、編み機を探しています。すでに約250人が参加して、このとってもチャーミングな方法で、多くの動物たちを保護しています。
「私は動物や野生動物について、正式なトレーニングを受けたことはありません。ただ動物たちへの愛情があるだけです。私は自然豊かなところで育ち、木々は私の遊び場でした。私は、鳥のシジュウカラやハチドリが、手の上にとまってエサを食べるのを見るために、何時間でも待っているような子だったんです。レイさんはいいました。「私は、ニットの巣づくりが大好きです。野生の動物たちの保護活動を行っている人たちの仕事を素晴らしいと思うからです。私は、巣を編むことで、動物たちが野生に戻るお手伝いしているように感じるのです」
Deline-Ray's parrot commandeers a nest. Photo: Katie Deline-Ray
「Wildlife Rescue Nests」のFacebookページでは、可愛い動物たちの写真がたくさん見られます。もし巣を手作りしたい人は、レイさんが手がけているパターンを参考にするといいでしょう。「Wildlife Rescue Nests」は、クラウドファンディングも行っています。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
【関連記事】
耳を失った猫のラッセル、傷ついた動物たちを癒やす(画像)
109歳のおじいちゃん、ペンギンたちのためにセーターを編む(画像)
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー