フランスでは、大手スーパーマーケットがまだ食べられる食品を廃棄することを禁じる法案が5月21日に全会一致で可決されたが、イギリスでも食品廃棄を減らすための動きが見られる。
ロイターによると、イギリスの大手スーパーチェーン「Tesco」はチェーン店のうち10店舗で、これまでは廃棄していた売れ残り食品を、DVから逃れて来た女性を保護する施設や貧しい家庭の子供向けに朝食を提供する施設に寄付する活動を始めた。
特に先進国で、食品廃棄は大きな問題になっている。国連環境計画によると、富裕国が廃棄する食料の量は、サハラ以南のアフリカで生産される食料に匹敵するという。
また、国連世界食糧計画によれば、現在世界でおよそ8億500万人の人々が、健康で活動的な生活を送るために必要な栄養を摂取できていない。その一方で、毎年廃棄される食品は13億トンにのぼり、この量を半分に減らすだけで、世界中のすべての人に食事が行き渡る、と国連食糧農業機関は2014年10月に報告している。
さらに、食品廃棄の影響は経済面だけにとどまらない。
「食料を大量に廃棄することは、環境にも悪い影響を及ぼします。肥料や農薬などの化学物質の無駄に利用しますし、運送するための燃料を過剰に利用することになります。また食品が腐敗すると、気候変動の原因の一つである有害な温室効果ガス、メタンガスが発生します」と国連環境計画は指摘している。
Tescoにとって今回の取り組みはスタートであり、同社は食品廃棄を減らすためのさらに大きな計画を考えているようだ。
Tescoのデイヴ・ルイスCEOはロイターの取材に対して、「今回の取り組みは、食品廃棄を減らす大きな一歩になると思います。これをきっかけに、今後も食べられる食品の廃棄をなくす取り組みを続けていきたい」と話している。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:佐藤卓/ガリレオ]
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