政府は5月14日午後、集団的自衛権行使を柱とする安全保障関連法案(新法案1、改正案10)を閣議決定する。閣議決定される安全保障関連法案のポイントは2つある。自衛隊の任務拡大と、派遣に至る国会議論を短くすることだ。
一つ目の自衛隊任務の拡大については、安倍政権は2014年7月に憲法解釈を変更する閣議決定を行い、日本が直接攻撃されていなくても、日本と密接な関係にある他国が武力攻撃を受けた際に共同して防衛にあたる集団的自衛権を行使できるとした。
ただし、自衛隊の派遣には国会の事前承認を例外なく義務付ける。これまでのように特定の事例のみに限って派遣を認める特別措置法(特措法)ではなく、有効期間を限らないで制定される恒久法とする。
特措法の例としては、2001年9月11日に発生したアメリカでの同時多発テロの際につくられた「テロ対策特別措置法」がある。テロ特措法では、自衛隊がアメリカ軍など他国軍の活動を手伝うことなどが認められたが、2001年10月29日に国会で成立するまで約1.5カ月を要した。10月7日にアメリカ軍がアフガニスタンへの爆撃を開始してから3週間後のことだった。
このため国会での承認手続きを盛り込んだ新法案「国際平和支援法案」は、自衛隊派遣をめぐる国会承認について、首相が承認を求めてから7日以内(衆参合わせて14日以内)に議決する努力義務規定を盛り込んでいる。これが二つ目のポイントだ。
5月14日の閣議決定を受けて、安倍首相は夕方に記者会見を開き法整備の必要性を国民に訴える予定だ。15日には法案を国会に提出する方針で、与党は特別委員会を設置し、21日から審議に入りたい考え。
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