国家公務員の「朝型勤務」が7月から始まる。安倍晋三首相が2月、施政方針演説で「昼が長い夏は、朝早くから働き、夕方からは家族や友人との時間を楽しむという、夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動(「夏の生活スタイル変革」)を展開する」との方針を打ち出したことがきっかけ。7月と8月は勤務開始を1〜2時間程度早め、早朝出勤をした職員は原則定時退庁とする。水曜日には遅くとも午後8時までに庁舎を消灯するほか、原則、午後4時15分以降に会議を設定しないことを徹底するという。
しかし、6月24日が会期末となっている今国会は、安全保障関連法案審議のため8月上旬まで大幅に延長されるとみられており、国会対応が実施を阻むハードルになるとみられる。しかし、業務改革を推進する総務省は「政府側だけで効率化できる取り組みもある」と国会対応にも前向きだ。時事ドットコムによると、既に効率化を始めている省庁もあるという。
例えば国土交通省は、同省が過去に作成した答弁について、質疑者、質問内容、答弁作成部局、合議部局をデータベース化し、キーワード検索を可能にした。仮に議員からの質問通告が遅くても、迅速に担当の割り振りを決めることができるため、担当以外は比較的早い時間に帰れるようになったという。総務省は夏に向け、各府省の優良事例を広め、取り組みを浸透させたい考えだ。
(時事ドットコム:〔ふるさと短信〕朝型勤務で霞が関が変わる?より 2015/04/23 11:00)
総務相は3月27日、地方公共団体に対しても同様の取り組みを検討するよう通知。また、経団連や日本商工会議所、全国中小企業団体中央会などの民間に対しても、各企業が朝方勤務の取り組みを行うよう要請している。
しかし民間で働く人たちからは、朝方勤務の導入を歓迎しないとする声も出ている。ORICON STYLEキャリアが20~40代の男女1200人に行った調査によると、朝方勤務という制度については肯定的な意見の人が約7割だったが、「もし自分が勤めている会社が朝方勤務制度を導入したら?」という質問をみると、「あまり嬉しくない」「嬉しくない」と答えた人が50.8%存在していた。
自分の会社に朝方勤務が導入されることに否定的な見方をする人からは、「早起きに自信がない」「夜遊びできなくなる」という意見のほか、幼稚園の送迎を心配する声や、会社に家が遠い人からは朝の電車が始発になるというような懸念の声が上がっていたという。
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