大リーグ、マーリンズのイチロー外野手(41)が4月25日、ナショナルズ戦で1得点を記録し、日米通算1968得点(日本658、メジャー1310)として、王貞治氏が持つ日本プロ野球最多の通算1967得点を超えた。
イチローはこの日、「7番・レフト」で先発出場。8回にソロ本塁打を放ち、ホームを踏んだ。9回で守備につく際には、スコアボードで紹介され、観客やチームメイトから大喝采を浴びた。
NHKによると、イチローは王氏の記録を超えたことに、「ただただ光栄です」と話したが、日本ではシーズン130試合しかないのに対し、大リーグでは162試合もあることに触れ、記録を比較するのは公平ではないとコメント。「王さんの記録は自分より偉大だと思う」と述べた。さらに王氏の人柄に触れ、「自分とは人としての出来が違う。それは揺るぎない点として、僕の中に永遠に植え付けられている」と話し、敬意を表した。
それでも今回の記録達成に、イチローが喜んだことがある。それは、この記録の達成について、共に喜び、祝ってくれる仲間が、アメリカにも大勢いたことだった。
これまでイチローは10年連続200本安打など、アメリカでも大リーグ史上に残る記録の数々を打ち立てているが、それに見合うだけの称賛を与えられていないと報じられたこともあった。2008年に8年連続200本安打を達成した際には、メディアは冷淡だったが王氏はわざわざイチローに電話して祝福した。このとき王氏は、アメリカの野球界にまだ、人種的な偏見が残っているという趣旨のことを指摘したという。
「アメリカという国は差別的、という言葉を王監督は使われなかったですけど、そういうニュアンス――まあ、白人至上主義というか、そういうのが残っていて、要は『その中で、日本人が誰もやったことのないことを打ち立てることというのは、想像以上に難しいことだ』って言ってもらったんですよ。そのとき、僕は本当に泣きそうになって、『この人、すげえ』と思って感動してね」
(王監督と過ごした時間 イチローと城島が振り返る|スポーツナビより 2008/09/24 13:58)
王氏の記録を抜いた日、イチローは次のように話した。
「一番嬉しいのは、このことをわかってくれるチームメイトやファンが居ることだ。このことで、この記録がさらに特別なものになった。これまで、こんなに祝ってもらったことはない。この記録についてチームメートに知ってもらい、そしてファンに祝ってもらえて、特別なものになった。もし、誰も祝ってくれなかったら嬉しくなかっただろう。チームメイトが一緒に喜んでくれた。それが、私にとって多くの意味を持った」
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