運動をすると筋肉が鍛えられることはよく知られていることだが、脳にも良い効果があるということが最新の研究で示された。ひとりは運動をし、もうひとりはあまり運動をしていない双子を比べた結果、運動をしていたほうが、脳の運動制御をつかさどる部位である「灰白質」がはるかに多かったのだ。
双子は同じ環境で育ち、もちろん遺伝子構造も同じであるためこの灰白質の量の違いを説明できるのは運動習慣によるものだと言えそうだ。
【研究方法】
研究は若い10組の一卵性双生児たちを被験者にして行われた。双子のうち「活動的な方は活動的でない方よりも平均して1週間に3時間多くジョギングをした」と、健康情報ウェブサイト「HealthDay」は伝える。また、The New York Times紙によると、双子は運動習慣は異なるものの、食習慣には大きな違いはなかったという。
【結果】
「子供の頃には同じような運動習慣があっても、大人になってから違う運動習慣を持つことで、双子たちの脳の構造にこれほどはっきりとした変化が起こるということは、我々にとって驚きでした」と、この研究を監督したフィンランド・ユヴァスキュラ大学の教授、ウルホ・クヤラ博士はハフポストUS版に述べる。
また「アメリカエクササイズ評議会」の最高科学責任者、セドリック・ブライアント博士はハフポストUS版に対して「運動をしてこういった変化が起こることで、年齢を重ねる体によりよい運動機能が備わることが期待できます。双子のうち活動的でない方がもっと体を動かすことで、活動的な方と同じような効果を得られるようになるまでに、どれくらいの時間がかかるのかを調べるのも興味深いことです」次のように語った。
運動することが脳にもよい効果をもたらすことを示す研究は、今回が初めてではない。たとえば2014年に行われた研究は、1日20分間ウエイトリフティングをするだけでも、長期記憶を約10%高めることを示唆している。
研究チームは引き続き、運動が脳の機能に及ぼす影響について調査結果をさらに詳しく分析し、報告する計画だという。
今回の研究は、『Medicine & Science In Sports & Exercise』誌の2015年3月号に掲載されている。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]
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