4月19日にイタリア・ランペドゥーサ島沖で移民を乗せた船が沈没した事故で、当初およそ700人とみられた死者数が800人以上に膨れ上がる可能性が出てきた。イタリア検察は21日、大多数の移民を船内の倉庫に閉じ込めたまま死亡させたとして、チュニジア人の船長を逮捕した。宗教の違いから船内のトラブルを避けるため、移民を倉庫に閉じ込めた疑いがある。
犠牲者は北アフリカからヨーロッパへと向かう途上にあった。生存者が国連難民機関に語った証言によると、救助に向かったポルトガルの船を見つけて、多くの乗客が船の片側へと一気に移動したために船が転覆したとみられる。あるいは、救助船に横付けしようとしたチュニジア人の船長が操船に失敗して衝突し、バランスを崩した可能性もある。
今回の事故は、地中海で起きた移民船転覆事故の中でも最悪のものとなった。5月ごろの地中海は天候が温暖で海が穏やかになるため、多くの移民たちがヨーロッパにたどり着きたいという望みを胸に、すべてを危険にさらして危険な航海を試みている。19日の死亡者数が確定すると、2015年に入って地中海横断を試みて命を落とした人々の数が1500人を超えることになる。
ローマ教皇フランシスコは19日、国際社会に対し、これ以上悲劇が起きないよう断固とした姿勢をとるように求めた。教皇フランシスコは「彼らは私たちと同じ男性や女性であり、よりよい生活を求める兄弟たちです。飢えに苦しみ、迫害され、傷つき、搾取された戦争の犠牲者なのです。彼らはよりよい生活を求めていたのです」と述べた。
以下の写真は、毎年何万もの人々が乗り出す危険な旅路と、無事地中海を横断できたとしても彼らにのしかかる苦難がどのようなものかを垣間見せてくれる。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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