「ひまわり8号」ならロシアの火山噴火もここまで鮮明に捉えられる【動画】

気象庁が初めて公開した新型気象観測衛星「ひまわり8号」が撮影した動画を見ると、気象解析力の凄さが一目瞭然だ。
気象庁

気象庁は4月16日、新型気象観測衛星「ひまわり8号」が撮影した動画を初めて公開した。ひまわり8号は2014年10月に打ち上げられた気象衛星で、これまでと比べて鮮明な画像を送信できるようになったとされる。公開された動画を見るとその威力が確認できる。

ロシアのカムチャッカ半島にある火山が噴火した様子を捉えた動画では、火山灰が南の方に広がっている様子が細かく見て取れる。

カムチャッカ半島の火山が噴火した時の様子 2015年3月26日午前7時〜26日午後1時 ひまわり8号撮影

この噴火を、現在運用中の「ひまわり7号」が捉えたものが次の画像だ。二つを比べると画像の鮮明さは一目瞭然だ。

カムチャッカ半島の火山が噴火した時の様子 2015年3月26日午前7時〜26日午後1時 ひまわり7号撮影

8号の性能は7号に比べて、データ量が50倍と大きく飛躍した。解像度が2倍になり、撮影間隔も7号が30分に1回だったのに対し8号では2分30分と短くなった。

また、撮影できる画像の種類が5種類から16種類と増え、世界ではじめてカラー画像を送る事が可能になったのも特徴だ。白黒画像では雲と区別がつかなかった黄砂や火山灰もとらえやすくなり、影響の出る範囲を予測したり、早めに注意を呼びかけたりするのに役立つと期待がかかる

気象庁ではこの他にも、台風の目や積乱雲が発達する様子、桜島の噴火で上空約4000メートルまで上がった噴煙が東に流れていく様子などを捉えた画像など、10種類を公開している。

ひまわり8号は、海外の新世代の静止気象衛星に先駆けて7月から運用を始めるため、国際的な注目を集めている。気象庁で8号の構想時から開発に携わってきた横田寛伸さんは、「アジア太平洋の諸国は台風などの自然災害が多いが、必ずしも気象観測の手段が発達していない」と指摘。そのため「『ひまわり』に頼っていると言っても過言ではない」という。それらの国に対して日本は、単にデータを提供するだけでなく、データ解析の研修を行うなど支援しているという。

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