しかし、数学の問題が人気記事になることはない。特にコモンコア(全米共通の学力基準)に対する不満を言う内容でないと、読まれることはない。
しかしこの話題は違った。4月11日、シンガポールのテレビ番組の司会者ケネス・コン氏は自分のFacebookページに数学の論理問題を投稿した。この問題は、数学オリンピックで競争する高校生に与えられたものだ。
問題は、次のとおり。
アルバートとバーナードは、シェリルと友達になった。2人は彼女の誕生日がいつか知りたい。シェリルは、誕生日の可能性のある10の日付を2人に教えた。
5月15日、5月16日、5月19日
6月17日、6月18日
7月14日、7月16日
8月14日、8月15日、8月17日
それからシェリルは、アルバートに彼女の誕生日の「月」だけを、バーナードに「日」だけを別々に伝えた。
その後、アルバートとバーナードの2人がこんな会話を交わした。
アルバート:僕はシェリルの誕生日がいつか分からないけれど、バーナードも分からないということは分かった。
バーナード:最初はシェリルの誕生日がいつか分からなかっけど、今分かったよ。
アルバート:それなら、僕もシェリルの誕生日がいつか分かった。
では、シェリルの誕生日はいつ?
コン氏によれば、この問題は彼の妻とまず議論になったが、議論はこの2人にとどまらなかった。FacebookやTwitter上で、数学について普段見られないような熱意で、この解答をめぐり議論した。
コーネル大学のスティーブン・ストロガッツ教授(応用数学)は、ハフポストUS版の取材に対し「この問題をめぐって世界中が興奮し好奇心が掻き立てられたことは、とても勇気づけられますね」と、述べた。「誰もが論理的に考える(少なくとも論理的に考えようとトライする)ことが好きなんだと分かりました。ただ単純に楽しんでいるんですね。この問題は実生活では何の役にも立ちませんが、考えることが楽しいのです」
この問題はネット上を駆け巡り、人々を興奮させた。必ずしも論理的問題が、数学の理解を深めるベストな方法ではない。
「これは面白い問題ですが、結局はただの論理パズルです」と、ウィスコンシン大学教授(数学)で「How Not to Be Wrong」の著者ジョーダン・エレンバーグ氏は、ハフポストUS版の取材に答えた。「本当に難しい数学の問題は、学生にこのようなパズルを『作る』ことを求めるのです」
それでは、解答は?
正解はここをクリック
この解答をより詳細に知りたいのなら、ガーディアンのこの説明をよく読んでみてほしい。
この問題がお手上げになっても、あまり気にしないように。難しい問題だったのだ。
「25個の問題のうちのこの問題24は、優秀な学生をふるい分けることを意図した難しい問題です」と、シンガポール・アジア学校数学オリンピック(SASMO)はFacebookページに投稿した。「SASMOコンテストは、学生の上位40%の層をターゲットにしており、大部分の問題の基準は、学生の最大限の能力発揮を求めるレベルです」
大人の大多数も、同じようだ。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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