インディアナ州インディアナポリスの郊外にあるペンドルトン刑務所には、受刑者と猫がお互いを助け合うユニークなプログラムがある。
近郊の町アンダーソンにある動物保護施設「Animal Protection League(動物保護連盟)」から10数匹の猫を引き取り、猫用に改装された部屋で受刑者たちが世話をするというもので、地元のTV局「WISH-TV」が受刑者たちが世話をする様子を報じている。
猫たちにとって、刑務所の生活はアニマルシェルターにいたときよりもずっと快適だ。シェルターではほぼ1日ケージの中で過ごさなければいけなかったが、刑務所では広い空間を自由に歩き回って人間や他の猫たちとじゃれ合うことができる。それに立派なキャットタワーや受刑者お手製の爪とぎタワーもある。
「猫たちが、自由になるために刑務所に来る必要があったなんて、ちょっと皮肉なことです」と、受刑者の一人、バリー・マトロックは地元の新聞ヘラルド・ブルティン紙に話す。
受刑者たちもまた、猫の世話をすることで人生観が大きく変わったそうだ。
ラマール・ハル受刑者は「ここで9時間猫の世話をして過ごすことをいつも楽しみにしています。ストレスが解消されますし、独房にただ座っている時とは違って、良い事を考えるようになり前向きな気持ちになれます。愛情は辛い過去を抱えている人々を変えますが、それは人間でも猫でも同じです」と話し、バリー・マトロック受刑者も「昨日よりも良い生き方をしようという気持ちにしてくれる」と語っている。
このプログラムの名称は「Felines and Offenders Rehabilitation with Affection, Reformation and Dedication (愛情と改善と献身による猫と受刑者のリハビリテーション)」。頭文字をとってFORWARDと呼ばれている。FORWARDの広報担当のミシェル・レインズさんによると、猫の世話係は希望者の中から選ぶが、面接をして仕事に適任かどうかを十分に確認しているという。
FORWARDのディレクターのマリア・ストリンガーさんは、このプログラムが受刑者と猫の両方に良い効果をもたらしているとWISH-TVに話す。
「受刑者たちから、猫たちの世話をして初めて、何かを大切にしたり愛したりすることができたと言われました。とても心を動かされる言葉です」
FORWARDは2015年3月にスタートし、費用は寄付でまかなわれている。施設は一般公開されていないが、刑務所職員や受刑者の家族は猫たちの里親になることができるという。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]
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