セクハラで訴えられた宮城県大衡(おおひら)村の跡部昌洋(あとべ・まさひろ)村長が4月7日に会見を開き、出直し村長選に出馬しない意向を表明した。「体調不良のため、今回の村長選立候補は断念する」と理由を説明したと、産経ニュースが報じている。
騒動のきっかけは、3月13日に村の50代女性職員が「セクハラやパワハラ行為を受けた」として、跡部氏に計1000万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こしたことだった。
朝日新聞デジタルによると、女性職員側の主張はこうだ。跡部氏は2014年4~9月、女性に出張先のホテルや村長宅などで10回以上、性的行為を強要した。約1300通のメールで食事の誘いのほか、「無視するなら仕事をフォローしない」「メールは2時間以内に返信しろ」と送った。女性が断ると業務の決裁を拒むなどのパワハラ行為をしたという。
村議会は3月16日、提訴について跡部村長から納得できる説明がなかったとして、不信任案を提出して、賛成多数で可決した。これを受けて、跡部村長は17日に議会を解散。19日に代理人を通じて辞表を提出していた。
4月7日に村役場で会見を開いた跡部氏は、「セクハラ、パワハラはしていない。裁判を通して明らかにしたい」と強調。女性職員との関係については「お互いに、『殿』『姫』と呼び合っていた」と明かし、「『殿』と呼ぶように強要された」とする女性職員側の主張に反論した。
日経グローカル2010年10月4日号によると、跡部氏は祖父、父と3代続く村長の家系。91年の村議を経て、96年に村長に初当選した。大衡村は仙台市の北部にある宮城県唯一の村で工業団地が多く、2011年1月にトヨタ自動車の関連会社のセントラル自動車(現・トヨタ自動車東日本)が生産を始めるなど、跡部氏も企業誘致に力を入れていた。
村長辞職と議会解散に伴う村長選と村議選は4月21日に告示され、26日に投開票される。
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