[東京 6日 ロイター] - キヤノンは完全子会社化を目指す監視カメラ世界首位のスウェーデンのアクシスについて、買収価格を引き上げる公算は小さいが、買収提案を取り下げる計画もないことが6日、関係筋の話で明らかになった。
アクシスについては、ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが保有株式比率を7.5%から10.1%に引き上げていたことが前月30日、スウェーデン金融監督局に提出された資料で明らかになっている。エリオット・マネジメントは保有比率を引き上げた理由は明らかにしていない。
Advertisement
キヤノンは236億スウェーデンクローネでアクシスの買収を目指しているが、アクシス株式90%以上を取得できない場合、買収提案の破棄が可能。一方、アクシス株90%以上を取得した場合、キヤノンは残りの10%も強制的に取得することができる。ただ、エリオット・マネジメントの保有比率が10%を超えているため、この選択肢の可能性はなくなった。
こうした状況になったことについて関係筋は、キヤノンは買収提案に応じた株主から取得できる株式をすべて買い取ることで買収を進める方針であることを明らかにした。保有比率が当初は90%以下でも、その後に交渉を通して完全子会社化を目指すとしている。
キヤノンはこの件に関して現時点でコメントすることはないとしているが、3月3日から4月1日までの公開買い付け(TOB)期間に株式売却に応じた株主の数などを近く公表する見通し。