ポパイは、毎日ホウレンソウを食べて筋肉もりもりだが、実はもの覚えも良くなっていた。本人は気づいていないかもしれないが。
シカゴ、ラッシュ大学の研究グループは、954人のお年寄りを対象に、5年間かけて食物摂取と精神機能についての分析を行った。その結果、食事に葉物野菜をよく摂る人ほど、頭の切れが良くなることを発見した。
平均年齢81歳の対象者について、平均5年をかけてその食事内容について追跡調査を行った。その結果、一日に1皿か2皿の葉物野菜を摂取した人は、葉物野菜を食べていない人と比べたとき、11歳若い人と、同等の認知能力を持つことが分かった。
ホウレンソウの他にも、緑葉カンラン、コラード、カラシナなどの野菜も、脳の老化を遅らせるのに効果が期待できそうだ。葉酸やベータカロチンが脳機能を活性化することは分かっていたが、ビタミンKが脳に与える効能を評価したのは、この研究で初めてだ。
「これまで、認知能力の変化に関連付けてビタミンKに注目した研究はありませんでした。ルテインに関するものがわずかにあるだけでした」と、ラッシュ大学医療センター研究組織副長で、研究チームのリーダーである、マーサ・クラレ・モリス博士が語った。
アスパラガス、芽キャベツ、ニンジンなど他の食物でも、これらの栄養素を多く含むものは、葉物野菜と同じ効能をもっているのでは、と研究チームでは考えている。今後もこの可能性を追求して研究を発展させる予定だ。
この研究結果で、手軽に手に入れられて値段も手頃な葉物野菜が脳の活性化に役立つと期待できそうだ。
「認知能力の低下がアルツハイマー病や認知症の主因なので、葉物野菜の摂取が増えれば、切開手術などせず簡単で手軽に、アルツハイマー病や認知症から脳を守ることができるでしょう」と、モリス博士は述べた。
この研究は、アメリカの実験生物学会連合の学会で、3月30日発表された。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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