エジプト人の母親であるシサ・アブ・ダウーさん(65)は、40年以上家族を養うために男性の格好をしていた。3月22日、彼女は「女性の稼ぎ手」として、彼女の故郷ルクソールで当局から表彰を受けた。彼女はエジプトのシシ大統領から直接祝福を受けた。
AFP通信によると、アブ・ダウーさんは3月22日、エジプト大統領の官邸で行われた式典で受賞式に臨んだ。官邸で彼女はシシ大統領と面会し、賞金として約6500ドルを受け取った。受賞式の間、彼女は伝統的な男性用ローブとターバンを身に付けていた。アブ・ダウーさんは、「働く女性の模範」として大統領から称賛された。
サウジアラビアの衛星テレビ局「アル・アラビヤ」によると、アブ・ダウーさんの夫が1970年代に亡くなった時、彼女は娘のウダさんを身ごもっていた。そして彼女は家族の中で唯一の稼ぎ手となった。アブ・ダウーさんはすぐに、当時の伝統的なエジプト社会では読み書きのできない女性が職を得るのは難しいと悟った。男性の格好をした方が職を見つけやすいことは確かだった。彼女はレンガ造りや靴磨きの職に就いたが、嫌がらせを避けるために自分の見た目を変えた。
「男性や男性の厳しい視線、習わしのせいで男性の標的になることから自分の身を守るために、私は男性になる決断をしました。男性の服を着て、誰も私のことを知らない村で男性と一緒に働きました」
今でも、アブ・ダウーさんは働き続けている。イギリス紙「ガーディアン」によると、アブ・ダウーさんの娘の夫は、働くことができないという。だから、母親のアブ・ダウーさんが家族の収入に貢献し続けている。アル・アラビヤによると、娘のウダさんは「私の母は、今でも家族を養っています」と語った。「母は毎日、ルクソールの駅で靴磨きをするため午前6時に起床します。母は年をとったので、私が仕事道具を運びます」
アブ・ダウーさんはガーディアンに、自分は男性用の服を着慣れているから、残りの人生も男装して過ごすつもりだと話した。「私は、男性の服を着て死ぬと決めました。私は男性の服を着慣れています。これが私の人生のすべてであり、離れることができないのです」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー