参院予算委員会は3月27日、安倍晋三首相と関係閣僚が出席し、経済・財政・国際問題をテーマに集中審議を行った。労働環境を軽視する「ブラック企業」が社会問題化していることを踏まえ、首相は「社会的に影響力の大きい企業が、違法な長時間労働を繰り返している場合には、是正を指導した段階で公表する必要がある」と表明した。時事ドットコムなどが報じた。
自民党の若林健太・参院国会対策副委員長は、いわゆる「ブラック企業」について、「企業の一部にも違法な長時間労働を行い、再三、指導を受けているにもかかわらず改善しない事案が存在する」として「悪質な企業は、企業名を公表すべきだ」などと指摘した。
安倍首相は、「長時間労働を繰り返している場合には是正を指導した段階で公表する必要がある」などと以下のように語った。
安倍総理大臣は「法違反が認められる場合には是正を指導し、是正意欲が認められない重大悪質なケースは書類送検を行い、原則公表してきた。今後、法違反の防止を徹底し、企業の自主的な改善を促すため、社会的に影響力の大きい企業が違法な長時間労働を繰り返している場合には是正を指導した段階で公表する必要があり、具体的な方法などを厚生労働大臣の下で検討する」と述べました。
(首相”是正指導段階で企業名公表の必要” NHKニュースより 2015/03/27 12:24)
具体的な方法は、塩崎恭久厚生労働相の下で検討を進める考えを示した。
現状では、労働基準法に違反した企業については、労働基準監督署が是正指導をした上で、従わなかった企業を書類送検するタイミングで企業名を公表するのが原則。首相は、是正指導の段階で公表する狙いについて「一歩進めて、企業に自主的な改善を促すため」と説明した。
政府は働き方改革の実現に向けて、国が率先して取り組む姿勢を示すため、今年の7〜8月に、全ての府省庁で勤務開始時間を1、2時間程度早める。夕方以降は会議を設定せず、残業時間の抑制に努めるという。
■Twitterの声
ブラック企業公表の報道を受けて、Twitter上には「一歩進んだ」とする声がある一方、「大企業よりも中小企業のほうが問題」「残業代ゼロにしたら分からない」など課題を挙げる声もみられた。
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