「スター・ウォーズ」のロケ地がダーイシュ(イスラム国)のせいで観光できない

チュニジア南部には、映画『スター・ウォーズ』シリーズのロケ地となった場所が幾つもあるが、現在イスラム過激派が活動していることを理由にスター・ウォーズファンたちは「聖地」への旅行を自粛を迫られている。
Star wars Movie Site, Tunisia. (Photo by: Education Images/UIG via Getty Images)
Star wars Movie Site, Tunisia. (Photo by: Education Images/UIG via Getty Images)
Education Images via Getty Images

チュニジア南部には、映画『スター・ウォーズ』シリーズのロケ地となった場所がいくつもあり、チュニジア観光局も観光名所としてこれらの場所を紹介する公式サイトを運営している。

しかしスター・ウォーズのロケ地を含む地域では現在イスラム過激派が活動しているため、スター・ウォーズファンたちも「聖地」への旅行の自粛を迫られている。

リビアとの国境から60マイル(約100キロ)ほど離れた場所にある、チュニジア南部の都市タタウイヌは、ルーク・スカイウォーカーの故郷とされる架空の惑星「タトゥイーン」の名前の由来になった場所だ。しかしCNNの報道によると、この場所は現在、過激派組織ダーイシュ(イスラム国)に参加するためにリビアに入国するテロリストたちの中継地になっている。

この地域では3月に入ってから2カ所の武器の隠し場所見つかっており、そのうちの1カ所には、ロケット推進式のグレネードランチャーや、2万発以上の弾薬などが保管されていた。

スターウォーズに関する情報を集めたサイト「StarWars.com」によると、タトゥイーン星の名前はもともと「ウータパウ」になるはずだったが、最終的に、チュニジアの都市タタウイヌに似ているタトゥイーンという名前に変更されたという。

実際のタタウイヌは、映画スター・ウォーズ・シリーズのどの作品でもロケ地として使われたことはない。しかし、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でアナキン・スカイウォーカーが住んでいた奴隷居住区のシーンとして使われた場所は、このタタウイヌの近郊に位置するという。

チュニジア国内に散在している映画のロケ地を「巡礼」する「スター・ウォーズ」ファンは多い。しかし首都チュニスで3月18日に起こったバルドー国立博物館襲撃事件の後、一部地域への旅行に対する自粛要請が出されている。この襲撃事件では、20人以上が死亡し多数の負傷者が出た。事件の翌日の19日にはダーイシュが犯行声明を出しており、実行犯はリビアで訓練を受けたチュニジア人たちと見られている

この事件を受けて、いくつかの国はチュニジアへの渡航自粛要請を出している。アメリカ大使館は「治安を脅かす事件が続いている」ことを理由に、旅行者に国境付近に近づかないよう警告しており、イギリス政府もチュニジアの広範な地域を対象に「不要不急の旅行」は控えるよう要請している。それには、タタウイヌのほかにも、ルーク・スカイウォーカーが育ったラーズ家に近いネフタなど、多くのロケ地が含まれている。ちなみにこのラーズ家は、崩れかけた状態だったものを2012年に世界のスター・ウォーズ・ファンが協力して修復した

日本の外務省も、事件後にチュニジア渡航に関する「注意喚起」をしている

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]

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