女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが3月24日、卵巣と卵管を摘出する予防手術を受けたことを明らかにした。検査で、がんの兆候となりうる炎症マーカーが見つかった後の手術だった。
ジョリーさんは、2013年、乳がん予防のための両乳房切除手術を受けている。遺伝子検査で、乳がんになる確率が87%だと分かっての手術だった。ジョリーさんは24日、「ニューヨーク・タイムズ」に寄稿した。その中で、乳がんの要因とされたBRCA1という遺伝子が、50%の確率で卵巣がんを発症させる要因にもなっていると述べた。
それを理由に、39歳の映画監督、女優、国連特使、そして6人の子どもの母親であるジョリーさんは、いつかは手術を受けようと計画していたのだという。
ジョリーさんはこのように綴っている。「この手術は、乳房切除手術ほど複雑ではありませんが、影響はより重大です。女性を、強制的に閉経させてしまいます。ですから、私自身、心と体の準備をしてきましたし、医師と、選択肢について話し合ってきました。代替医療のことも調べてきました。エストロゲンやプロゲステロンの補充に備え、自分のホルモンの計測もしていました。ですが、決断までにはまだ月日があるだろう、と思っていたのです」
2週間前、検査で炎症度が高まっていることが分かり、ジョリーさんと医師は手術を決断した。夫で俳優のブラッド・ピットは、その時フランスにいたが、手術に付き添うため飛行機で駆けつけた。手術名は、腹腔鏡下両側卵管卵巣摘除術。
ジョリーさんによると、手術で卵巣の1つから小さな良性腫瘍が見つかったが、どの組織にもがんの兆候は無かったという。
両乳房切除手術を受けた後、ジョリーさんは、卵巣の除去を考えていることを「ピープル」誌に告白している。「エンターテインメント・ウィークリー」誌にも、がん予防のために別の手術の準備をしていることを語っていた。
ジョリーさんの最新の手記では、2つのことが強調されている。1つは、この決断が彼女特有のものだということ。もう1つは、この決断のもとになったのが、ジョリーさんの家族に伝わる病気の歴史だということ。ジョリーさんは、母親、祖母、そして叔母を、がんで亡くしている。
ジョリーさんは手記の中で、自分以外の女性には、別の選択肢もあるとつづっている。
「私には、BRCA1の遺伝子突然変異があります。しかし、それだけを理由に、手術を決めたのではありません。私以外の女性の方に、聞いてほしいのです。BRCA検査が陽性だからといって、即手術というわけではありません。私はたくさんの医師や、外科医や、自然療法家と話をしました。他にも選択肢はあります。経口避妊薬を服用する方もいれば、代替医療に頼りつつ、頻繁に検査を受ける方もいます。どんな健康問題に関しても、対策は1つではありません。1番大切なことは、選択肢について知り、その中から自分の個性に合ったものを選ぶことです」
ジョリーさんはこのように付け加えている。もっと若い女性なら、卵管を除去しつつ、卵巣を残すという選択肢もある。そうすれば、閉経せず、妊娠も可能なままなのだという。
「このような選択をするのは、簡単なことではありません」。ジョリーさんはつづっている。「ですが、どんな健康問題に関しても、それをコントロールし、正面から立ち向かうことはできます。助言を求め、選択肢を知り、自分に合った選択をする。それは誰にでもできることです。知識は力なのです」
アンジェリーナ・ジョリーさんの手記の全文は、ニューヨーク・タイムズで読むことができる。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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