ハニ・アルセバイ氏はロンドンに住むイスラム学者だ。しかし、もし視聴者にまともに取り合ってもらいたいと思うなら、インタビュアーに対して「黙れ」と言ったり、彼女を見下すような発言をするべきではないだろう。
3月の上旬に放送されたレバノンの放送局「アル・ジャディード・TV」のある討論が、中東のメディアウォッチを行っているアメリカの「中東報道研究機関」によって翻訳された。その中で司会者のリマ・カラキ氏が、キリスト教徒たちがダーイシュ(イスラム国)に入る可能性についてアルセバイ氏の意見を求めた。イラクとシリアで大部分を占領している過激派グループであるダーイシュは、国外からの戦闘員を採用していることで知られている。自身もエジプトのイスラム組織「ジハード団」への加入で実刑判決を受け、イギリスへ亡命した経緯を持つアルセバイは、キリスト教徒とイスラム組織の歴史的接点について語り始めた。
ところが、カラキ氏が時間を気にしてアルセバイ氏の話を戻そうとすると、アルセバイ氏は怒り始めた。
カラキ氏:博士、話の焦点を現在にあわせましょう。キリスト教徒たちを集めるために、現在どのようなスローガンが使われているのでしょうか?
アルセバイ氏:話を遮らないでください。私は自分が話したいように話します。あなたが望むようには答えません。なぜなら私は自分が大事だと思っていることを伝えるためにここにきたんです。それなのに、あなたのその態度は一体なんなんだ。
カラキ氏:どうか興奮しないでください。私たちはあなたに敬意を払っていますし、質問にきちんと答えてくださると思っています。ただ残念ながら、時間があまりないので。
アルセバイ氏:自由に話せるという約束でインタビューに答えているんだ。時間は十分あるはずだ。
カラキ氏:分かりました。続けてください。
アルセバイ氏:自分がそんなに偉くて力がある人間だと思っているのか!
カラキ氏:続けてください。でも汚い言葉で罵るのはやめてください。
アルセバイ氏:私は自分が大事だと思っていることを話す。
カラキ氏:このスタジオでは、私が司会です。あなたのためを思って言わせてもらえば、間もなく時間がなくなってしまい、あまりに詳しく説明していただくと、他の質問ができなります。歴史にまで話題が及ぶと、話す予定だったテーマについて話すことができなくなってしまうんです。あなたにどう答えていただくか次第です。時間があれば、全ての質問に答えることができるでしょうが、それを決めるのは私です。
アルセバイ氏:何を決めるかはあなたの勝手だが、私は自分のやりたいようにやる。
カラキ氏:分かりました。それではあなたの話を聞きましょう。口論で時間を無駄にしていないで、元の話題に戻りましょう。
アルセバイ氏:言いたいことはそれだけか? じゃあ黙れ。今度は私が話す番だ。視聴者は私の話を聞きたいと思っているんだ。
カラキ氏:あなたのような尊敬されている指導者がどうして、テレビの司会者に向かって黙れなんて言えるんでしょうか。
アルセバイ氏:あんたが気に入ろうが入るまいが、私は尊敬されている。
カラキ氏:もう十分です。このへんでおしまいにしましょう。
アルセバイ氏:あんたのような女にインタビューされるなんて私の品位を落とすことだ。あんたのような女は…。
この時点でアルセバイ氏の音声が切られた。
カラキ氏:ちょっと待ってください。お互いに敬意を払うことができないのであれば、インタビューはここまでです。
インタビューはここで終了した。
この様子は記事上の動画で確認できる。
H/T 中東報道研究機関(MEMRI)
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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