バンクシーはガザで子猫を描いた パレスチナの人々の苦しみを知らせるために【画像】

世界的に有名なイギリスの覆面ストリートアーティストのバンクシーが、パレスチナ人自治区のガザで、新しい作品シリーズを公開。ガザの苦しみを記録するドキュメンタリー風の作品を、4つの新しいグラフィティアートとして残した。
Banksy/YouTube

世界的に有名なイギリスの覆面ストリートアーティストのバンクシーが、パレスチナ人自治区のガザで、新しい作品シリーズを公開した。

この新シリーズは、2014年7月8日に始まったイスラエルによる「ガザ侵攻」でパレスチナ人の家屋1万8000棟が瓦礫と化したことを受けて制作されたものだ。

2014年にガザ地区で行われた8回の空爆では、多数の子供たちが殺害された。国連の報告によれば、7月8日以来パレスチナ側の死者は2097人以上にのぼり、そのうち7割が民間人だという。

2カ月に及ぶ空爆によって多数の民家が破壊されたが、家を建て直すためのセメントの搬入も認められなかったと報道されている。また、アムネスティ・インターナショナルは、このガザ侵攻でイスラエルが戦争犯罪を行ったとして非難した

バンクシーは、2005年にもヨルダン川西岸地区でいくつかの作品を描いているが、今回は、ガザの苦しみを記録するドキュメンタリー風の作品を、4つの新しいグラフィティアートとして残した。

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「地元の男性がやって来て『これはどういう意味なんだ?』と聞いてきたので、こう説明した。自分のウェブサイトに写真を投稿して、ガザの破壊された姿に焦点を当てたいのだ、と。インターネットの人たちというのは、子猫の写真しか見ないものだから、と」ー バンクシー\n
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「Bomb Damage」(爆弾による被害)と名付けられたこの作品は、ロダンの「考える人」からアイデアを得たという。\n
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「強者と弱者の間の紛争を無視しようとするとき、われわれは強者の側に立つことになる。中立になるのではない」(壁に書かれている言葉)
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「ガザが『世界最大の野外刑務所』とよく言われるのは、人々がここに、自由に入ることも、そして出ることもできないからだ。だがこの例えは、本物の刑務所にとって少々失礼だ。ガザでは、電気や飲み水が急に止まってしまうことがほぼ毎日あるのだから」ー バンクシー
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子供たちが釣り下がって遊んでいる建物は、監視塔
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ストリートアートは、パレスチナで非常によく見られるアートで、落書きはパレスチナ人の苦しみを大衆に伝える新しい手段として利用されている。

ハムザ・アブ・アヤシュやマジド・アブデル・ハミドといったアーティストたちが、占領地域内のあちこちに、スプレー式塗料やセメントを利用した作品を残し、イスラエルの支配下にある生活に対するユニークで興味深い視点を描いている

この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]

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