1936年2月26日早朝、陸軍の青年将校に率いられた約1500人の反乱部隊が決起して首相官邸などを襲撃した。日本列島を震撼させたクーデター未遂事件の模様を写真で振り返った。
襲撃を受けた岡田啓介首相は無事だったが、高橋是清(これきよ)蔵相、斎藤実(まこと)内大臣らが殺害された。反乱部隊は陸軍省、参謀本部、警視庁などを占拠、永田町周辺を封鎖した。
部隊を指揮した青年将校らは、「昭和維新」を掲げて陸軍部内で国家革新を目指した「皇道派」グループに属し、クーデターによる天皇親政を目指していた。しかし、昭和天皇は「最も信頼する老臣を殺傷することは真綿にて我が首を絞めるに等しい行為」と激怒、鎮圧を命じた。
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2月29日、戒厳司令部は約2万4000人の兵力で反乱軍を包囲して戦闘態勢をとった。そしてラジオや飛行機からのビラ、アドバルーンなどで「今からでも遅くないから原隊へ帰れ」「お前達の父母兄弟は国賊となるので皆泣いておるぞ」などと、下士官・兵に帰順を呼びかけた。このため大部分の下士官・兵は帰順し、青年将校も野中大尉が自決したほかは、憲兵隊に検挙されたという。
この事件の結果、軍部の影響力は強くなり、5年後の太平洋戦争の開戦へと繋がっていく。
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