オランダで展示されているおよそ1000年前の仏像を調査している研究者グループは、仏像内部にとても普通では考えられないものが隠されていることがわかった。それは僧侶のミイラだ。
オランダのアメルスフォールト市にあるメンデル医療センターでは、そのミイラを「これまでで最高齢の患者」と述べている。CTスキャンを使って仏像内の体の画像を撮影し、内視鏡を使って胸部と腹腔を検査した。
仏像ミイラ (左) と内部のミイラを写すCTスキャン画像(右)
このミイラは西暦1100年頃に中国で亡くなった僧侶のLiuquanのものであると考えられている。研究者たちによる調査で、ミイラの内臓は取り除かれ、その空間が何かの物体で満たされているようであることが判明している。医療センターによると、その物体が「古代中国文字が印字された紙屑」であることがわかった。
この仏像は、2014年にオランダのドレンテ博物館で「Mummies: Life Beyond Death (ミイラ: 死後の生命)」展の一部として展示されている。初めて中国から国外に持ちだされたものだ。
展示会の冊子によると、このミイラは即身仏とみられる。
CNETによると、このような僧侶は通常、石棺の中に密封された状態で、水、植物の種、木の実を食べて1000日間生き続け、次いで木の根、松樹皮、ウルシの木の樹液から作られた毒性の茶でもう1000日間生存したという。
「ビジネス・インサイダー・オーストラリア」によると、僧侶は小さなチューブを通して呼吸をし、鈴を鳴らしてまだ生きていることを周りに知らせた。鈴が鳴らなくなると、その後もう1000日間、石棺の中に納めた状態にしておく。
雑誌「スミソニアン」によると、即身仏となった僧侶たちは、悟りの境地に達したと考えられている。
Liuquanが即身仏なのかは定かではないが、内臓を取り除きその代わりに紙屑が存在したことは、即身仏ではない可能性が考えられる。
この仏像は現在、ハンガリーの自然史博物館で展示されている。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。