2月18日、ロシアのパンクバンド「プッシー・ライオット」が初の英語曲を発表した。曲名は「I Can't Breathe(息ができない)」。これはニューヨークで警官に背後から首を絞められて死亡したエリック・ガーナーさんの最期の言葉だ。
プッシー・ライオットのメンバー、ナジェジダ・トロコンニコワとマーシャ・アリョーヒナはイギリスの新聞「ガーディアン」の取材に、2014年12月にニューヨークで行われた警察の残虐行為に抗議するデモに参加した後、この曲を書いたと述べた。
プッシー・ライオットによれば、ガーナーさんに触発されたこの曲は、「世界中で、国家によるテロ行為に苦しむ人々、戦争や国家支援のあらゆる暴力のために殺害され、絞殺され、命を落とした」人々に捧げるものだと、YouTubeの動画の説明に書いている。
2014年秋、大陪審がニューヨークでのガーナーさんと、ミズーリ州ファーガソンでマイケル・ブラウンさんの死亡に関連した警官を不起訴にした後、アメリカ各都市で抗議デモが巻き起こった。11回も繰り返されたガーナーさんの最期の言葉は、丸腰の黒人男性に対する警官の対応への一般市民の激しい怒りを表すシンボルとなった。
「この言葉は彼のものですが、この言葉が私たちの、そして、世界中の多くの人々を表現できることを願っています。権力機関が何の処罰も受けずに行動し、権力を使って屈辱を与え、脅かし、苦痛を与え、殺害し、弾圧することは法を超越し、自分たちは無敵の存在だと感じてるために、息ができないすべての人々の味方となることを願っています」と、2人はガーディアンに語った。
ロシアで撮影されたこの曲のプロモーションビデオでは、ロシア機動隊の制服を着たトロコンニコワとアリョーヒナが、生き埋めにされている。「世界のその他の国々から見れば、ロシアは自国を生き埋めにしていると思います。自殺行為です。毎日」とプッシー・ライオットはバズフィード・ニュースに話している。
トロコンニコワとアリョーヒナの過激な抗議活動はロシア政府を激怒させている。2012年に、彼女たちはモスクワの大聖堂内でデモ活動を行った罪で、1年以上投獄された。
2014年ソチ冬期オリンピックでは、乗馬用鞭を振りかざしたコサック治安部隊から暴行を受けた。
「私たちは、警察の残虐行為がどのようなものか自分たちの肌で感じ、知っています。この問題に黙っていることはできません」と彼女たちは新曲発表についてガーディアンに語った。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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