発生直後の速報によると、反政府派「ドネツク人民共和国」の弾薬庫を、ウクライナ軍が攻撃したことで「キノコ雲」が生じたという。
ウクライナの国会議員で、前ドニプロペトロウシク州副知事のボリス・フィラトフ氏は、ウクライナ軍が標的を正確に攻撃したことを讃えたが、「何を爆破したかまでは、ミサイルを発射した者にもわからない」と述べた。
一方で親ロシア派ドネツクの民兵組織は、攻撃を受けたのは「DKZHI」(ドネツク国営化学製品工場)と呼ばれる軍関係の化学工場だと主張している。しかし、爆発音が何マイルも離れた場所でも聞こえ、ドネツク市内のあちこちで家屋の窓ガラスが割れたため、目撃者の多くは、核爆発ではないかと考えたようだ。
ウクライナのドネツクで起きた核爆弾の爆発について、もっとたくさんの報道があると思ったんだが。
驚いた! 爆発がウクライナのドネツクを揺るがした! 核爆弾だと噂されている。
「爆発は戦術核だった、ウクライナが核保有国に戻った」と考えて、ドネツクの分離派がパニックに陥っている。
最大の疑問は、ドネツクの爆発が核だったとした場合、「誰の核兵器なのか」だ(私の記憶ではウクライナは核兵器を持っていないし、ロシアがドネツクでそれを使う理由もわからない)。
グラスゴー大学で核物理学を研究するダグラス・マクレガー博士は「見たところ、きわめて大規模な爆発があったことが分かりますが、核爆発ではない可能性が高いと思います」と説明する。
「ただし、この画像だけでは、小さな核爆発があったかもしれない可能性を完全に排除することはできません。核爆発だったかどうかを確かめるためには、オブザーバーが現地に入って、放射線の存在をモニタリングする必要があります」
反ウクライナ人民戦線のコンスタンチン・ドルゴフ共同議長は、自身のFacebookページで「爆発の中心は、DKZHIの付近だった」と述べている。
爆発後の火災で、DKZHIの近隣地域は化学物質漏れの危険にさらされたが、現地の報道機関は、差し迫ったリスクはないと報じている。
ウクライナ右派民族主義者の政治家ドミトリー・ヤロシ氏は、この爆発は、反政府派の自走多連装ロケット砲「BM-21 グラート」のロケット弾とランチャーを運搬するトラックを標的とした攻撃によって起こったものであり、この攻撃で「200名近いテロリスト」が死亡したと述べている。
このウクライナの地図で、赤い部分がルガンスク、ドネツク、クリミア(右上から)。
ドネツク市は現在、ロシアの支援を受けた分離主義者の支配下にあり、この紛争が始まって以来、何度かウクライナ軍の攻撃を受けてきた。
モスクワが支持する反政府派は、独立の是非を問う住民投票を経て、2014年5月にドネツク州とルガンスク州がウクライナから独立したと宣言した。しかし、ウクライナ政府と西側主要国はこの独立を承認していない。
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:水書健司/ガリレオ]
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