フランスの週刊紙「シャルリー・エブド」が掲載したイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を転載した本を、第三書館(東京都・新宿区)が出版する。発売日は2月10日。NHKニュースが報じた。
本の仮題は「イスラム風刺か、ヘイトか」。A5判64ページのブックレットだ。同紙に掲載されたものを中心に欧米の風刺画など40点前後を、日本語訳や解説とともに転載するという。イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画のほか、キリスト教やユダヤ教の風刺画も含まれる。イスラム世界に詳しい専門家ら約20人の寄稿文も掲載するという。
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同社の北川社長は「銃撃は論外の暴挙だが、風刺画はヘイトスピーチ(憎悪表現)との境界線上にあると考え、議論が必要だと思った」と述べた。偶像崇拝を禁止するイスラム教徒から反発を招く可能性については「イスラム教徒がなぜ風刺画を嫌悪するのか、現物がないと議論が深まらない。批判があるのは理解できるが受け止めるしかない」と語った。
本の出版を受けて、国内のイスラム教徒らで作る「在日パキスタン人協会」が6日、会見し「日本での平和な生活に混乱を招くような行為だ」として、発売に抗議し、販売を取りやめるよう求めた。
フセイーン・ハーン会長は「議論を呼びかけたいと言いながら風刺画を掲載するのは矛盾している」として、「イスラム教の名をかたった誰かが騒ぎを起こさないか心配だ」と述べた。
警視庁など全国の警察は、不測の事態に備えて、出版社が入っている建物や本を販売する書店などで、警戒に当たるという。
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