エジプトで中東カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」のジャーナリスト3人が軍に批判的な報道を行ったことで懲役7年の一審判決を受けていた問題で、2月1日、3人のうちオーストラリア人ジャーナリストのピーター・グレステ記者が400日ぶりに釈放され、エジプトを離れた。
懲役刑を受けていたのはグレステ記者のほか、エジプト系カナダ人のモハンマド・ファハミ記者、エジプト人のモハンマド・バヘール記者。2014年にテロに関連した容疑で7年の懲役刑を受けた。人権団体からは、この裁判は不正だと非難されている。
残り2人についてはその場で説明はなかったが、今も収監中と見られる。
グレステ記者は1日午後、キプロスのラルナカ行きのエジプト航空に搭乗した。
エジプトの国営通信社によると、グレステ記者がシシ大統領の「許諾」に従い、1年以上の拘束後に解放されたとしている。
グレステ記者が所属するアルジャジーラは次のようにTwitterでコメントしている。
アルジャジーラはピーター・グレステ記者解放のニュースを歓迎すると共に、モハメド・ファハミ、バヘール両記者の解放を求める。
声明の中で、アルジャジーラメディアネットワークのムスタファ・スアグ報道局長は「ピーターと彼の家族が再び一つとなれることを歓迎します」と述べている。
「彼らにとっては信じがたい不当な試練でした。しかし彼らは信じられないほどの威厳を持って立ち向かいました。ピーターの威厳は損なわれていないし、さらに強固なものとなりました。ピーターが見せた不屈の精神と犠牲によって、一般の人々に彼のプロフェッショナルの精神を示しました。
我々はバヘール、ファハミ両記者も再び自由の身となるまで安心できません。エジプト当局は現在のこの状態を解消する権限があり、まさに彼らがやらなければならないことなのです」
アルジャジーラ英語版のアル・アンステイ専務はCNNに「無実の人を解放するのに祝うことはない」と述べた。
2014年に改正された刑法では、アブドゥル・ファタハ・アル・シシ大統領に「国家の安全保障上」という理由で外国人の被告や受刑者を国外追放する権限が与えられている。この法では、ジャーナリストを解放するための有効な法的根拠となるか疑わしかった。
シシ大統領は、この問題を解決したいと繰り返し述べていた。国際的な非難に駆り立てられた形だ。
今回の問題は、#freeAJstaff や #journalismisnotacrime といったハッシュタグがつけられ、著名なジャーナリストたちが口をテープでふさぎ、検閲に抗議するポーズをとった画像とともにソーシャルメディア上で拡散した。
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。
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