アメリカ大統領夫人、ミシェル・オバマさんは1月27日(現地時間)、夫やアメリカ政府高官の一行とともに、超保守的として知られる砂漠の王国・サウジアラビアの首都リヤドを訪問。1月23日に逝去が発表された故アブドラ国王への弔意を表した。しかし、訪問中にスカーフで頭を覆わなかったことが物議を呼んでいる。
通常、欧米の女性が同国を訪問する際には頭を覆わないことが多いが、現地の女性は必ず頭を覆わなければならない。また、サウジアラビアはイスラム法の厳密な解釈を課している国で、男性の保護者からの許可なしに女性が仕事や旅行をすることを禁じている。
4時間の滞在中、ミシェル夫人は、何度か顔をしかめる姿も写真に収められている。サウジ代表団は全員男性で、ミシェル夫人と握手する人もいたが、通り過ぎるときに軽く会釈するだけの人もいた。
全員男性のサウジ代表団の中には、ミシェル夫人との握手を控えた人もいたという。
なお、2011年にニューヨークで故アブドラ国王と会談したヒラリー・クリントン氏(当時国務長官)も頭を覆わず、2006年、当時のファーストレディーだったローラ・ブッシュ夫人も、サウジアラビア訪問時には頭を覆わなかったと報道されている。
一方で、ミシェル夫人は2010年にインドネシアの首都にあるモスク「イスティクラル」を訪問した際は、頭を覆っていたという。イスラム教徒以外の女性は、この神聖な場所で頭を覆わなくても良いとされているが、ミシェル夫人のスカーフ着用は、イスラム世界への敬意を示そうとするものだと、「ロイター」は当時報じていた。
ミシェル夫人はサウジアラビアへの敬意はゼロのようだ。二重基準であり、偽善だ。
Twitter上では、サウジの慣習に無礼な態度を取ったとして、「#Michelle_Obama_Immodest」(無作法なミシェル・オバマ)や「#Michelle_Obama_NotVeiled」(ベールをかぶらなかったミシェル・オバマ)というハッシュタグを使ってミシェル夫人を批判するユーザーも現れたと、アメリカの政治系ジャーナリズム団体「Politico」は伝えている。
わたしはミシェル夫人のふるまいはよいものだと思わない。個人的な感情や信条はどうあれ…
ミシェル夫人はほかの国、ほかの文化にとっての客人だ。個人的な判断を下すべきではないと思う。ただ、葬儀では適切な敬意を示したと思う。
ミシェル夫人は、サウジアラビアが望むような格好には関心がないようだ。
ただ、ミシェル夫人に理解を示した人たちもいた。エジプトのニュースサイト「Ahram Online」によると、「ソーシャルメディア上では、短い訪問だったから、と理解を示すサウジアラビア人たちもおり、他のユーザーに対し、サウジの最も重要な同盟国であるアメリカのファーストレディーを批判しないように求めた。Twitter上で他のサウジ国民に、『オバマが私たちに腹を立てる』ことのないようにしてほしいと、求めた女性もいた」
なお、サウジのあるテレビ局は、会見映像のミシェル夫人の顔にぼかしを入れたとも一時報じられたが、サウジの高官はこれを否定したと、「ブルームバーグ」は伝えている。一部のソーシャルメディアユーザーは、「ミシェル夫人にぼかしが入った映像のスクリーンショット」を投稿したが、他のユーザーはぼかしなしのものを投稿している。
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]
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