【パリ銃撃】人質を救ったイスラム教徒のマリ人スーパー従業員、フランス国籍を取得

パリの食品スーパー「ハイパー・キャシャー」で武装した男が立てこもった事件で、イスラム教徒でマリ人のラッサナ・バシリーさんの勇気を称え、フランス国籍を付与されることになった。
Malian Lassana Bathily, a Muslim employee who helped Jewish shoppers hide in a cold storage room from an islamist gunman during the January 9, 2015 attack, poses on January 15 in Paris. Four people were killed by jihadist Amedy Coulibaly in a hostage-taking drama at a kosher supermarket in Paris. AFP PHOTO / FRANCOIS GUILLOT (Photo credit should read FRANCOIS GUILLOT/AFP/Getty Images)
Malian Lassana Bathily, a Muslim employee who helped Jewish shoppers hide in a cold storage room from an islamist gunman during the January 9, 2015 attack, poses on January 15 in Paris. Four people were killed by jihadist Amedy Coulibaly in a hostage-taking drama at a kosher supermarket in Paris. AFP PHOTO / FRANCOIS GUILLOT (Photo credit should read FRANCOIS GUILLOT/AFP/Getty Images)
FRANCOIS GUILLOT via Getty Images

1月9日、パリの食品スーパー「ハイパー・キャシャー」で武装した男が立てこもった事件で、スーパーで働いていたイスラム教徒でマリ人のラッサナ・バシリーさん(24)が少なくとも6人の命を救ったことから、その勇気を称え、フランス国籍を付与されることになった。彼がフランスに入国してから9年の歳月が流れている。

フランスのベルナール・カズヌーヴ内務大臣が15日、声明を発表した。事件以降、国際社会がバシリーさんを英雄として賞賛する声が高まり、オンライン署名サイト「Change.org」のキャンペーンには30万を超える賛同が集まった。

フランス黒人支援団体の広報担当ティアバ・ブルニさんは、「若いマリ出身のイスラム教徒、ラッサナ・バシリーさんは、この暗く沈んだ1週間のなかで明るい話をもたらしてくれた。ラッサナさんの例は、互いに助け合い、兄弟であることがどれほど有益なことかを教えるとても良い教訓だ。このことは、あらゆる本物の宗教が教えるより意義が深い」と、Change.orgのランディングページで述べている。

襲撃犯のアメディ・クリバリ容疑者は9日、シャルリー・エブドを襲撃した事件が発生した後、「ハイパー・キャッシャー」攻撃し、4人を殺害し人質をとった。バシリーさんは事件発生当時、店員として働いていたが、店の客数人を地下の冷蔵庫にかくまい、裏口から密かに逃げ、警察に店の見取り図を伝えた。

バシリーさんはフランスのテレビ局「FRANCE 24」に対して、「( 襲撃犯が ) 店に侵入してきた時、何人もの人が、武器を持った狂人がいる、と口々に駆け込んで来ました。私は、冷蔵庫にかくまうしか方法がないと思い、電源を切って中に全員を入れました」と述べた。

カズヌーヴ内務大臣は、バシリーさんの「勇気ある行動」を褒め称え、国籍授与式を1月20日に行うと述べた

Change.org のキャンペーンと同様に、バシリーさんを支援するFacebookページも作られ、フランソワ・オランド大統領に対してバシリーさんにフランスの最高勲章「レジオンドヌール勲章」を付与することを求めている。しかし、まだそのような声明は発表されていない。FRANCE 24によると、オランド大統領は11日、バシリーさんに電話で感謝の意を述べ、各国の指導者と共に何千もの人々が団結して参加したデモ行進に加わった。

バシリーさんは2006年、16歳のときにフランスへ移住した。10日にフランスの放送局「BFMTV」に出演した時、バシリーさんは自身の経験と力強い意見を述べ、社会の分裂を招きかねない一連の襲撃事件に異議を唱えた。

「私たちはみんな兄弟です。ユダヤ教徒なのか、キリスト教徒なのか、イスラム教徒なのかは問題じゃない。私たちはみんな運命をともにして、この危機から脱するためにお互い助け合わなければならないんです」。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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