世界最高峰の小さな美術館「ナショナル・ギャラリー」の秘密とは? 巨匠が迫る【画像】

ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、新作『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』で世界最高峰の美術館に足を踏み入れた。
映画「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」

ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、新作『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』で世界最高峰の美術館に足を踏み入れた。3カ月間に渡り美術館に潜入し、ありのままを収めた本作は2014年、ヴェネチア映画祭で栄誉金獅子賞を受賞した。

ロンドンの中心地に位置する「ナショナル・ギャラリー」は、所蔵作品は2300点余りで多くはないが、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、レンブラント、ターナー、ゴッホ、モネなどの傑作を所蔵し、年間500万人もの人が訪れる。

市民コレクションから生まれたこのギャラリーは、常設展の入場料は無料だ。館内ガイドツアーでは学芸員や専門家による工夫を凝らしたトークのほか、本格的なデッサン教室、触れる絵画のイベント、斬新なワークショップなども、すべて無料で参加できる。

本作で監督は、普段は表に出ることのないギャラリー関係者の姿を静かに追いかける。展示位置も定期的に見直され、照明は何度も何度も繰り返し調整される。会議室では、予算やPR、企業タイアップの是非といった議論まで明かされ、組織の上下関係も伝わってくる。

またナショナル・ギャラリーの名声を高めた、高度な修復作業を追いかける。X線分析によって、レンブラントやダ・ヴィンチの絵画の下に別の絵が浮かび上がる……。

監督は、映画パンフレットのインタビューにて「絵画にはあらゆることが含まれる。残酷さから優しさまで、すべてが内包されているんだ」と語っている。

1月17日よりBunkamuraル・シネマほかにて公開

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