ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は1月8日、飲食店での発泡プラスチック容器の利用を禁じると発表した。この決定によりニューヨーク市は、飲食店での発泡プラスチック容器の利用を禁じるアメリカで最大の都市になる。
今回の措置では、発泡プラスチック容器のほか、配送中の品物を保護するために使われるピーナッツ型の梱包用の緩衝材を販売することも禁止される。市長はこの禁止措置によって、「3万トン近い発泡プラスチックゴミを、ゴミ埋め立て地や街路、および水路から」取り除くことができると述べた。
「今よりもより良い選択肢・方法があります。アメリカのさらに多くの都市が、私たちの先例にならって、同じように発砲プラスチック容器の利用を禁止すれば、より良い選択肢をとる人たちが短期間のうちに増えて、コストが下がることになります」
アメリカでは現在、ワシントンD.C.、ミネアポリス、サンフランシスコ、オークランド、ポートランド、アルバニー、シアトルなど、70を超える都市が発泡プラスチックを禁じている。デブラシオ市長の前任者であるマイケル・ブルームバーグ前市長が、ニューヨーク市での発泡プラスチック禁止について初めて提案したのは、2013年の彼の最後の施政方針演説だった。
ニューヨーク市公衆衛生責任者のキャスリン・グラシア氏は今回の声明の中で、「私たちが作り出すゴミの多くはリサイクルと再利用が可能だが、発泡プラスチックはそのような種類の素材ではありません」と説明している。
「発泡プラスチックゴミがなくなることは、ニューヨークがより環境に優しく持続可能性の高い街になるために役立つだけではなく、ニューヨーク市のゴミを受け入れている埋め立て地のある地域にとっても良いことです」
持続可能性の向上に取り組む市長直轄の組織によれば、今回の禁止措置によって市内の河川や海岸地域の環境が改善され、最終的には、大西洋に住む海洋生物の状況が改善されるという。
今回の禁止措置は、飲食店や市内の学校の食堂、および屋台を対象としており、7月1日から実施される。ただし、6カ月間の猶予期間が設けられ、その間は発泡プラスチック容器を利用しても罰金は科せられない。また、年間売上が50万ドル以下の事業者と非営利組織は、この禁止措置から除外してもらうことができるが、発泡プラスチック以外の素材の利用することで経済的に困難な状況に置かれることを証明しなければならない。
一方AP通信の記事によると、ニューヨーク市の飲食業界団体である「レストラン・アクション・アライアンス」はこの禁止措置は小規模事業者に不公平な経済的負担を課す、と非難している。
「飲食サービスから出る発泡プラスチックは全体の約10%に過ぎず、今回のこの禁止措置では、残りの90%が納税者の負担で埋め立て地に送られることになる」と、この業界団体は声明の中で主張している。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:佐藤卓/ガリレオ]
【関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー