どうやら、電車で必要以上に場所をとることが社会的に許されているのは、男性だけのようだ。
ニューヨークの地下鉄で女性が男性のように足を広げて座ったらどうなるか実験してみたのは、ニュースサイト「Mic」編集部のリズ・プランクとニック・ハイツ。2人はニューヨークの市営地下鉄を使って、人々の反応を見た。実験の結果、乗客たちは女性が場所をとることには不愉快そうな反応を示すのに対して、男性が場所をとることには慣れているようだった。
リズが座席を独り占めして座っていると、何人もの乗客からジロジロと見られた。さらに、中にはポケットから携帯を持ち出して、彼女が足を広げて座っている様子を撮影する男性客もいた。一方、ニックが足を大きく広げ、カバンを横に置いて3人分の座席を占拠しても、ほとんどの乗客は関心を示さなかった(とは言っても、何人かの女性はカバンをどけるよう彼に丁寧に頼んだ)。
この実験のきっかけは、オンライン上で署名を集めることができる「Change.org」のアメリカ版に、カナダの男性権利団体が投稿した請願だった。その請願によると、男性は「両足の間に睾丸があるため」、座るときに女性よりもより広いスペースを必要としているという。そのため、地下鉄で足を閉じるよう男性に求めることは「男性叩き」だと主張している。しかしこれも、男女の平等を求めるフェミニズムの活動を踏みにじる、男性権利活動家たちによる詭弁の一つだ。
ニューヨークでは、市の交通局に対して地下鉄でのマナー向上を呼びかけるよう求める「おい兄ちゃんちょっと詰めろよ運動」や「地下鉄で場所を取りすぎな男たち」というプロジェクトが始まり、男性が座席を独り占めする行為が大々的に議論されるようになってきた。
動画の中でリズは「みんなが一致団結して、席を独り占めしている乗客に声をかけることができれば、もっと勇気を持って自由に生活できるはずだ」と語る。
今、そこで席を独り占めしているあなた。少しのマナーと、自分の行動を振り返る余裕を持つだけで、世の中をもっといいところにできるんですよ。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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