フランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」の銃撃事件を受けて、サルマン・ラシュディ氏がアートとしての風刺を擁護するコメントを発表した。
「私は『シャルリー・エブド』を支持する。アートとしての風刺を守るため、我々は皆そうしなければならない。風刺は常に、自由を獲得し、 暴政や不正、愚行に対抗するための力となってきた」。
ラシュディ氏の言葉は、彼自身の作品のことを考えるととりわけ大きな意味を持つ。マジックリアリズムの手法でムハンマドの生涯を題材に描いた小説「悪魔の詩」で、1989年、彼はイランのホメイニ師からイスラム法のファトワ(宗教指導者から出される宗教令)による死刑宣告を受けた。 2013年の回想録「ジョセフ・アントン」ではさらに、冒涜する権利を主張している。
以下にラシュディ氏の声明全文を掲載する。原文はイギリスペンクラブに投稿されたものだ。
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宗教とは不合理なものであり、中世的な形態だが、それが現代の兵器と結びつけば、まさに我々の持つさまざまな自由を脅かすものとなる。このような宗教的全体主義がイスラムの心に恐ろしい変異を引き起こし、その結果として我々は今日、パリで起こった悲劇を目撃することになった。私は「シャルリー・エブド」を支持する。アートとしての風刺を守るため、我々は皆そうしなければならない。風刺は常に、自由を獲得し、 暴政や不正、愚行に対抗するための力となってきた。「宗教に対する敬意」は、「宗教の恐怖」を意味する暗号となった。 他のすべての観念と同様に、宗教もまた、批判や風刺、そして我々の恐れを知らぬ無礼な振る舞いの対象となり得る。
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ラシュディ氏は他の著名な作家たちと共に、アメリカのペンセンターの公式声明に署名した。銃撃事件を受けた声明は、以下のように結ばれている。
「声を上げるアーティストやライターたちを殺害し、批判を抑えつけようとする今回の行為は、 異なる意見を唱える権利を守るためのさらに大きな動きをもって迎えられなければならない。その動きが、自由な表現を追求する不屈の精神を支える」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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